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がんの標準治療をサポートする統合医療の役割~具体的な食事・生活アドバイスと治療方法~

自分が患者さんの立場だったら受けたい医療を提供するために開業

勤務医時代は、血液内科の専門医として血液がんの治療に従事する中で、標準治療だけで治る方ばかりではなく、高齢や基礎疾患といった理由で積極的な治療ができない患者さん、何度も再発し抗がん剤治療が効かなくなる患者さん、などさまざまな臨床経験をしました。
標準治療だけではうまくいかない患者さんに対して、いつか抗がん剤や緩和治療以外に何かサポートする役割ができる医療を提供したいと思っていました。
また、そもそもがんにかからないような体をつくるための食事・生活改善の指導を積極的にしたいと思っていました。そこで基礎研究も終えて博士号を取得し、血液専門医・指導医、総合内科専門医の資格も取得し、第一線の病院でさまざまな患者さんをみる経験も積んだ後に開業しました。
たとえ保険外診療でも私がもし患者さんの立場であったら受けたい統合医療を提供したいと考えたことも、開業の大きな動機です。
 

がん治療や統合医療に携わるきっかけ

研修医のときは白血病の基礎研究者になりたいと思っていました。しかし、患者さんと接することも好きだったので、実習のときにそれぞれの診療科を回った際に、病気の診断、治療、そしてその後のフォローアップまでじっくりと患者さんに向き合える血液内科医を専門に選んだことが、がん治療に携わることになったきっかけです。
西洋医学以外の医療も取り入れている理由は、私の父が東洋医学や気功に興味を持っていたこともあり、佐賀県で開業されているバイオレゾナンス医学会の矢山利彦理事長に患者として診ていただいていました。だから私が医師になる前から矢山先生の影響を受けていたことがきっかけです。
矢山先生がバイオレゾナンス医学による原因治療に取り組まれている姿を父親からよく聞いていたので、『原因を除去すれば病気は治るようになっている』というコンセプトが、医学部に入る前からインプットされていたので、西洋医学や対症療法だけでは本質的に足りなかったのです。
 

がん患者さんへの食事・生活改善アドバイス

私は西洋医学を基本としながら、東洋医学やバイオレゾナンス医学も積極的に取り入れています。最初は食事アンケートへのご記入をお願いして、毎日どのようなものを食べられているのかを把握します。
特に小麦類、乳製品、酸化しやすい植物油脂や魚油、生もの(刺身・果物・生野菜など)、水道水や湧き水の摂取の有無やチョコレートやクッキーなどの間食が多くないかなどを確認します。
そして、バイオレゾナンス医学で控えた方が良いとされている食品、具体的にはリーキーガット症候群を起こすような小麦製品や乳製品をはじめ、特に生ものは弱毒菌感染のリスクがあるため食べないようにとの指導を必ず行います。
リーキーは漏れる、ガットは腸で、文字通り腸に炎症が生じて腸の隙間から血管に未消化の食べ物や毒素などが漏れ出してしまう状態をいいます。腸は元来バリア機能を持っていますが、小麦に含まれるグルテンや乳製品に含まれるカゼイン、そして酸化油などによってこのバリア機能の低下が起こります。リーキーガットは、腸の炎症だけでなく全身へ炎症が波及してさまざまな症状を引き起こすために、症候群と呼ばれます。
水道水はそのまま飲まずに必ず高性能浄水器で化学物質や重金属を除去するように指導しています。

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