「KID A」を攻略するまで

Radioheadの「KID A」というアルバムをちゃんと聴けるようになったのは、そのアルバムを初めて聴いてから4、5年経ったあとのことだったと思う。それまでは複雑に組み込まれた電子音とナンセンスともいえるヴォーカルに戸惑うばかりで、大好きな「Everything In Its Right Place」ですら途中で止めてしまうほどだった。

「KID A」というアルバムを初めて聴いたのは高校生のときだった。Plastic Treeというバンドの影響だ。彼らに近似した音楽としてRadioheadの名前があがることが多く、それ以前から気になる存在であったのだ。

ある日、家の近くのレンタルレコードショップに行くと、まだレンタル開始したばかりのこのアルバムが並んでいた。「よっしゃ借りたろ!」と思い、CDをバスケットの中に入れるぼく。家に帰り、MDコンポの中にCDを突っ込み、音量を上げる。タララララー。ラーララーラー。なんじゃこりゃ。なんじゃこりゃ。

ここから先は

1,857字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?