具現化される贖罪の対象.良心による窒息
SF小説を原作に持ちながら、限りなく内省的で、人間的な作品だったと思う。
「すべてのシーンを地上で成立させるつもりだった」と語るタルコフスキー監督の言う通り、SFの要素は確かに美術的な観点からみれば芸術的とは言い難く、単に機械的で,ハイテクではあった。しかし、その冷徹で無機質な非人間的環境下は、そこで起こる人間的な葛藤や苦悩の輪郭を鏡のように映し出す素晴らしいコントラストとして機能していた。
『惑星ソラリス』1972年 旧ソ連
監督:アンドレイ・タルコフスキー
脚本:アン