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愛情

 まだ不備や誤り等が無いか確認する必要があるため応募していませんが、今日はプロアマ問わず8000字以内の作品を募集している第2回『幻想と怪奇ショートショート・コンテスト』に応募するための、一昨年の秋に書いた『愚人と賢人』という掌編小説の手書き原稿を書き上げました。ちょうど「幻想と怪奇」という名詞がふさわしい作品だと思います。

 このコンテストでは応募原稿の形式として、メール添付の場合、デジタルデータではtxtファイルでの応募が第一に挙げられているにもかかわらず、なぜわざわざ手書き原稿を書いたかというと、txtファイルだと、横書きとなる上に特殊な読み方をする漢字のルビも「()」を使わざるを得なくなるからです。個人的には、それだとなんだか、自身の作品に対して妥協するようでイヤでしたし、約4800字、400字詰原稿用紙15枚の短い作品でしたので、メール添付のもうひとつのオプションとして挙げられている縦書きの手書き原稿をスキャンしたPDFをメール添付するほうを取り、Macのワープロアプリ「Hagoromo」に表示した原稿を文字に起こしました次第です。

 たとい約4800字、400字詰原稿用紙15枚のショートショート、掌編小説といえど、マナーとして修正テープ等が使えないなかで、なるだけ綺麗に文字に起こすというのは、楽しくもありますが、やはりなかなかに大変な作業です。しかし、これは前にも触れたことですが、一字一語ずつ、よく吟味した上で文字に起こすことは、より精密な推敲にもつながる上に、その作品に対して、やはり格別の「愛情」というものが生まれます。私が、この『愚人と賢人』の原稿という「アナログデータ」を郵送せずに、これをスキャンしたPDFというデジタルデータをメール添付するほうを取ったのも、私が生み出したもので二つと無い『愚人と賢人』のオリジナル原稿という「アナログデータ」への、その「愛情」がわいたからにほかなりません。

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