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20歳の自分に受けさせたい文章講義 (古賀史健 著)を読んで パソコン版

 「文章を書く」というのはどういうことなのか?

 本を読む前の「文章を書く」ことは、「自分の内面の吐露」であった。
この本を読んだ後、「文章を書く」ことは「他者との会話」になった。

 この本は、どうして文章が書けないのかという問いかけで始まる。
それは自分の考えが、自分の言葉に翻訳されていないからだと。

『文章を書くことは、他者を動かさんとする”力の行使”なのである』
(135pより引用)

 「文章を書く」ことの本質は、自身が事象を理解し、その理解を伝えて
他者の心を動かすことである。

 そこから、読者に理解してもらうための技術的な話が始まる。読みやすい文章を書くための見た目の調整、文章自体の設計図、読者をイメージするといった内容が続く。

 次に文章の推敲の話になる。書く前の編集と書いた後の編集の話になる。

 順番でいえば、書く前の編集は一番最初に書くことになるはずである。
しかし、「文章を書く」ことに理解が深まらないと題材を絞りこめない。
だから、この順番になったのだと個人的に考えている。

 書いた後の編集は、文章単位の工夫を文脈単位で行うことだと個人的には理解した。それを映像の編集に例えられていた。その編集を行う時、
「もったいない」が禁句というのはいろんなことに通ずると思う。

 最後に著者が「文章を書く」ことは、読者が「文章を書く」に至って
その意味を成すのだとあらためて書かれていた。

 さて、個人の感想に入る。この本は実学としての文章の書き方の本だ。
芸術性の高い文章を生み出すための本ではない。誰かに思いを伝えて、
人の心を動かしたい人が読む本だ。だからこそ、「文章を書く」ことは
「他者との会話」なんだなという感想になる。ここで肝要なのは、
他者の中に自分も入るところだ。

 文章の書き方の本について「文章を書く」ことは、とてもハードルが
高いなあと思い知った。筆者の目に止まろうものなら、本の理解度が
試されるにちがいない(^^;)

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