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断捨離と思い出のカード

 断捨離中である。週に1回、ゴミ袋をいつもより余分に一袋出す程度の物を捨てている。先週は靴や靴箱やらほかの細々としたもの。今日は、書類やファイルやそれを収めていたプラスチックのケースなどをゴミ袋にまとめた。

 少し前に、ミニマリストYoutberを見て、その方の所持している全書類の数が、たったの数枚で、それに感化されたのだった。
 その方は原本でないといけない数枚の書類以外は、アプリを使用するかスマホで写真を撮ってPDF化し、まさにミニマム化することに成功している。紙類だけでもそこまで減らせたら、たしかに生活、もっというと人生がかなりスッキリするのではと思う。

 ただ、私はわりと物欲があるほうで、服飾関連のものもそこそこあるし、また、本も常に本棚から溢れいてるような状態なので何をどう足掻いてもミニマリストにはなれない。わかりきっている(電子書籍も利用するけど、すべてをそうする気はさらさらない。単に本を眺めているのも好きだし、やっぱり紙のほうが読みやすいから)。

 でも、不要なものがないすっきりした家で過ごせるに越したことはなし、ライフスタイルもここ数年1〜2年ごとに変化しているし、自然と手放せるものも多い気がして、少しずつ、物を減らしているのだった。

 そして、今日書類関連を整理していた途中で、一枚のカードが出てきた。ニューヨークモチーフの素敵なカードがぱらり。「わーかわいい、これなんのカードだろう?」と思い、宛名やメッセージを見ると、10年くらい前の仕事でもらったもの。女性向けのWebメディアで働いていた時に海外在住のライターさんから送られてきたカードだった。

 ああ、みなさんお元気かしら?と記憶が蘇る。メールだけのやりとりで会ったことのない人がほとんどで、深い関係ではなかったけど、私が辞める時にとても残念がってくれたライターさんも何人かいて、私もちょっと寂しく思ったし、それくらいの関係性は築けていた。

 出てきたカードは、私へのお別れのカードなどではなく、年末の挨拶カード。宛名は私宛だけどメッセージ内容は編集部宛だったし、本当にたわいのない内容。
 それでも私が捨てなかったのは、カードのかわいらしさもあったと思うけど、メールだけとはいえ、色々なライターさんから海外の情報を教えてもらったことや、メッセージをやりとりさせていただいたのが楽しく、また、当時仕事でそこにやりがいを感じていたのだろうなと思った。カードが、私がその仕事で得たものを象徴しているような気がして、なんだか励まされたような気分でもある。

 う〜ん。こうゆう思い出の浸り方は、紙のカードだからこそできることのような気がする。偶然発見し、手に取り、見た目にも「カワイイ!」とうれしくなり、記憶が蘇り、過去や過去の人に想いを馳せる……。

 やっぱり、アナログっていいな……。

 うーん。困った。断捨離中なのに、思い出の品をとっておく楽しさを実感してしまった。


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