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アイコスの魔力

紙巻きタバコからアイコスに変えてその依存度は加速していった。特にアイコスイルマが誕生してからは、旧アイコスのブレード掃除がなくなり、小型タイプでは連チャン吸いが可能になったため、家では基本アイコスを吸う合間に生きているような状態である。

身体に悪いのか何が入っているのか全く理解していないまま人体実験的に吸い続けているという事実もちょっと怖い。「加熱式たばこの煙(蒸気)は、周りの人の健康への悪影響が否定できません。」という最早パッケージデザイン扱いなこの文言も(蒸気)や「否定できません」という表現が絶妙で恐ろしい。(因みに裏面には発がん性物質とニコチンが含まれるとゴリゴリに書いてあった!激ヤバ!)

ラーメンハゲが「ラーメンは情報を食っている」というように、タバコだって入り口は情報を吸っているに過ぎない。なんかカッコいいから以外での理由でタバコを吸い始める人間はいない。だけどハマり始めると後ろめたさを感じながらカッコ悪く吸い続けてしまうのである。

とりあえず実家で飼ってたネコはアイコスに異常な嫌悪感を示していたので、生命体に有用なモノではないだろう。しかし彼らはまたたびに対して気が狂ったような反応を示すので、そういった意味ではおあいこである。またたびパウダーを粉ひとつ残さまいとフローリングの溝まで舐め続ける彼らの姿はドラッグのそれを思わせる。

寝起きにひと吸い、飯を食ってはひと吸い、youtubeのお供にひと吸いと完全に行動軸になってしまっており、もう禁煙は不可能な領域に入っているだろう。特にリモートワーク中はアイコス吸う合間に仕事をしていたし、休みの日なんて振り返ってみると「アイコスを吸う日」と命名されるような事態である。

喫煙所もアイコス専用と紙巻き専用という謎の分煙文化も加速していっているが、これはユーザーとしてはかなり嬉しい。アイコスになってから紙巻きタバコの匂いの公害性に気付いてしまい、喫煙者なのに嫌煙派という謎の立ち位置も手に入れてしまった。タバコなんてこの世から消え去ったらいいのだ。

アイコス専用喫煙所にやってくる紙巻きユーザーには視線を注ぎ、同調圧力的にこの聖域を守るという行動も増えつつあるのが寓話的で面白い。女性専用車両のように強制力はなく、社会のモラル的な圧力で乗り込んでしまった男は視線を浴びされるという現象に似ている気がする。

一般車両に女性が存在するようにアイコス吸いも普通喫煙所でも堂々と吸えるというのは、何か特権的だがやはりその匂いのリスクを負わなければならない。

ポイ捨てや路上喫煙などアンチモラル的な行動は避けようと思い外では喫煙所以外で吸わないようにしているが、この紳士マナーが啓蒙されている現代でも歩きながらタバコを吸っている旧時代の人間の多さも少し恐ろしい。

大体タバコは動きながら吸っても全く美味くないのだ。止まって、空間から隔離されてこそ落ち着いて紫煙を燻らせるのがパフォーマンスを正しく得れるアイテムである。

でも受験生時代にタバコ吸ってたらめっちゃ効率上がっただろうなあと思う。タバコ専用勉強室という需要は潜在的にありそう。

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