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【白昼夢の青写真 case1 二次創作 extra2】

【続・反省文 構成ってなんだろう】
昨日、2話目にして重要なカードを無駄切りしてしまったというところまでお話ししました。「ある方」は、プロとアマを分けるのは、文章力であるとか、語彙とかであるより、構成の差が大きいと言っていたと思います。
私のいう構成と、その方のいう構成が同じものなのか、実は分からないのですが、話の繋がりとか流れ、そうであることの必然性を整えることなどなど、構成力って本当に大事だなと思いました。

さらに、書いたものが機能してないというか、存在意義が伝わらないというか、ご覧下さった人にあっては「どうしてそんな話を、そんな一文を盛り込んだの?」と、書き手の意図を理解することに苦しむ部分が、少なからずあったかもしれません。
それは、私の書き手としての実力不足、構成力不足に他ならないと思います。というかそもそも、視点を切り替えたり、時系列の違うものを1本の話にまとめたりだとか、技術もないくせに、分不相応なのですが。

とはいえ、書きたいことを書けなかったわけではないので、最後は、2万字を達成する(数えてみたら、約26000字でした。小説は短編派で、20000字あれば、自分が好きな50ページくらいの作品になるかなと。)こと、「つまんねえよ」と言われても、誰も読んでいなくても、ちゃんと終わらせること、を目標にしました。故・小池一夫先生も、作品は完成させることが大事、とおっしゃっていたと思います。ただ、その本当の意味を理解できるようになるには、まだまだ時間が必要かと思います。

ちなみに最終的な落とし所、つまり実質的な最終回である9話の最後ですが、特に*以降は、書きながら思いつきました。そんなことってあるんですね。ここがなかったら、「俺たちの戦いはここからだ!」エンドでした。波多野秋房が自分にもちょっと力をくれたんですよ、きっと。10話に行けたのは、あの最後があったからです。

【ちょっとしたこだわり】
たぶん、芸人が自作のネタについて「ここが笑いどころなんです。」という解説をし出したら終わりだと思うのですが、ろくすっぽ書いた経験もない素人の二次創作の1作目なので、まあ、いいかなと。。

・原作では、スイッチ版の特典であるビジュアルアーカイブで緒乃さんがおっしゃっているように、有島の左手の描写など、指輪の有無にこだわりを置いています。いわく「手情事」など、手を用いることで人物の心情を、立場を表現しています。原作者のこだわり部分でもある以上、これを使わない手はないと思いました。
なので、指輪に意味を持たせるためのエピソードを深堀りしました。執拗に指輪のことを記載した理由です。

・エロゲ、ギャルゲ、ラノベ等、いわゆるヲタク向けコンテンツでは、ちょっと不自然なくらい父親というものが出てきません。舞台装置として、必要ないってことでしょうか。そのように、父親が「書く必要のないもの」扱いを受けていることに違和感があるというか、父親の存在って、もっと大きいんじゃない?と思っています。
だから、オリキャラとして有島の父親を出しました。出てきたときには、死んでいましたが。凜が秋房からの愛を感じられずに育ったことへの対比として、有島には、父の愛情を理解するキャラになってもらいました。凛の心のうちはさておき、波多野秋房もまた、最後には我が子を愛していた一人の父親になってもらいました。
…ただ、昨日も書いたとおり、原作の有島は父親について「会ったことも感謝したこともない。」と語っていることに気づきましたが、後の祭でした。ちなみにオリキャラ父親回の7話は、抜けて「ビュー」の数が少なかったりします。

・誕生日は、特別なものだと思っています。身近な人や愛する人が生まれた日って、正月よりもイエス氏が生まれた日よりも、遥かに尊くないですか?もっと祝うべき、大切にすべきでないですか?という考えがあるので、二人の関係においても、誕生日を特別なものにしました。
祥子が初めて不倫に踏み切った日を有島の誕生日にしたのは、彼女の中での「終わり」を表現したかったからです。なお、有島の生年月日は公式になっていないはずなので、季節感は出しませんでした。

・わかる人が少ないであろうネタほど、わかる人にとってはニヤリとできるんじゃないかと思っています。秘密の共有が甘い味のように表現されるのと同じ感覚とでもいうか。有島の服装については、去年のトークショーの場で、緒乃さんが「有島の服は西友あたりで買ったもの」とおっしゃっていたので、そういう設定にしました。
ところで、安っぽいとか書いてしまいましたけど、祥子と写っているときの有島は、小綺麗ですね。過去との対比という意味では、枯れて萎びてしまう前の有島は、いくらかこじゃれた学生として描いた方が良かったかも。

・オスとしての強さ、というのは、普段からよく考えていることで、ここでは、ほんの少しだけそういう要素を織り込みました。スペンサーと渡辺の存在は、オスとして弱い(弱っている)有島との対比として描いています。
自分は、空手でもそれなりの成績を残していますし、腕力も普通の人の3人分くらいある(前日参照)のですが、当たり前ですけど、オスというか、人として強いかは、また別で、異性にとって魅力があること、稼ぐ力があること、大事なものを守る力を持っていること、精神的に安定・成熟していること、というのもまた、オスとしての強さだと思います。
そのへんは、原作において強く訴求する部分ではない(書くなら、case2を敷衍すべきテーマかな?)ので、申し訳程度の記載に控えています。

・祥子さんの魅力って、あのゴミを見るような目だったり、夫に対して尋常でなく辛辣だったり、すけべがすけべな服を着て、しかし何食わぬ顔でアッパークラスの仕事をしたりしてるところだったりすると思うんですよ。
すけべのことはさておき、有島という人間を書くに当たっては、過去の祥子を書かないというのはあり得ず、とはいえ当初からああでは絶対に有島と結婚しそうにないので、先述のとおり、いくらかキャラクターを改ざんしましたが、たぶん、原作の性格に振り切った作品の方が、面白いと思います。原作の祥子さんは、鬼か悪魔なのでしょうか。
次に何か書くことがあれば、しれっとそういう祥子になっていると思います。

・宮沢賢治やシェイクスピアの作品を持ち出した理由は、言わずもがなですね。

【人類の敵 有島症候群】
私のような年齢の男性(有島より少しだけ若い)には、どこか有島症候群というか、そういうものが少なからずあるのではないでしょうか。なあなあな空気に負け、変わり映えのしない毎日を繰り返し、そんな暮らしは楽しくないと思いながらも、しかし立ち上がる気力はいつの間にか失われ、何かを変える努力もしないくせに、おれはこういうもの、という諦念の中に生きる。そんな、厄介な有島症候群。

過去2回、ラプラシアンのイベントに参加したことがありますが、自分より年長者であろう人は、ちょっと見掛けた記憶がなくて、自分と同じくらいの年の人が、1割…2割には届かないくらいいたかな、という印象です。
なので、これを読んでいただいている方は、みなさん、差こそあれど自分よりは年下の人がほとんどだと思いますけど、どうか有島症候群に負けない、素敵な中年男性になってくださいませ。

【今後と感謝】
次は、case2をモチーフにした、ウィルが酒場で人生相談に応じる、みたいなのはどうかなと思っています。しかしながら、当時のイギリスの、ウィルくらいの階級の人の宗教観とかその重み(特に教会の存在。)、労働環境や生活環境、人々の思考の根底にあるものや社会通念といった、いわゆる広義の風俗とか、そうしたものをあまり承知していないので、原作や史実と離れ過ぎる可能性はあります。case2をプレイしながら、ちょっと考えてみたいと思います。あっ、現代日本に来てもらうのもアリかな。2次創作ですからアリですよね?

随分長くなりましたが、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。みなさんの2次創作があれば、それも楽しみに拝見したいなと思います。
しばらくは基礎作りというか、体力作りというか、書くということを習慣化させたいと考えているので、適当に何か書いてみます。
よろしければ、また!重ねてですが、本当にありがとうございました。

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