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Mr.Childrenが描く人生の景色

「あなたの人生の中で、Mr.Childrenはどんな音を鳴らしていますか?」という問いかけから始まるミスチルデビュー30周年ライブと、それを待ち侘びたファン(にとってのミスチル)を追ったドキュメンタリー映画『GIFT for you』を観た。

スラムダンク原理主義者の人は怒らないで欲しいが、結論から言うと私はスラムダンクより泣いた。

と、この書き出しで「ファン用の映画でしょ」と興味を喪失しているそこのあなた、1分だけ待って欲しい。あなたの人生にもMr.Childrenの音は鳴っているかもしれないから。

私が7歳の頃にデビューしたMr.Childrenだが、文字通りミスチルは人生と共にあり、それぞれの曲が私の人生を映し出す。

例えばミスチルとの出会いは小学校の同級生 青木くんが当時B'zにハマっていた私に「芦田、これもカッコいいぞ」と貸してくれたのが『Tomorrow never knows』(1994年発売)のシングルCDだった。

という人生の"景色"がミスチルの曲を聴くと浮かび上がるのだ。

そこからミスチルを好きになり、アルバム『BOLERO』を新宿のタワーレコードで母親に買ってもらったという景色を思い出すし、高校の時付き合っていた彼女が『youthful days』を聴きながら「このメロディライン思いつく桜井さんって天才じゃない?」と僕に向かって問いかけたあの瞬間の景色を思い出すし、

『I'LL BE』のアルバム1/42バージョンは、負けたら小学校から続けてきたサッカーを選手としては引退という大学時代 最後の大会で試合直前までリピートでずっと聴いていた景色を思い出すし、社会人になって再会した中学時代の彼女に「『SUNRISE』がめっちゃ好きなんだよね」とさりげなく言われたカフェの景色を思い出すし(それ聞いてからそんなに意識してなかった『SUNRISE』を聞き直して「確かにいいなあ」ってなった景色も思い出す)、

「前を向いて欲しい」と心から願うけど自分が話を聞くだけでは力に慣れている気がしなかったあの人には「『ヒカリノアトリエ』を聴いてみて」と薦めた景色を思い出すし、

『Another Story』を聴くと失恋状態で傷口をエグると分かっていながらも「桜井和寿は俺なのか?」と錯覚するほど私の感情を言語化してきて案の定突き刺された帰り道のバスの窓越しで見た風景を思い出すし、

14年勤めた会社を辞めることを決めて、お世話になった上司に言いに行く道すがら、なんとも言えない心技体全ての動揺を打ち消したくて自然と再生した『Worlds end』を聞いて歩みを進めた六本木ヒルズの景色は忘れない。

ってなんか書き出してみたけど、恋愛のエピソードばっかでキモいな。

まあいい。

そう、つまり、Mr.Childrenには、人生において直面する出来事によって巻き起こる私たちの感情を言語化しメロディー化して奏でてくれる曲が必ずあるのだ。だから「ミスチルって逆に王道すぎて通ってこなかった」というそこのあなた。騙されたと思って「私の●●な気持ちを表現してくれるドンピシャの曲ある?」と周囲のミスチルファンに聞いてみて欲しい。必ずあるはずだから。その5分を私に下さい。

って言語化してみると、ただのオタクのマウントで読者が疲れてくることに気がついてしまうし、強制的な布教はファンを増やす事にはつながらないことはわかっている。でもそれだけたくさんの素晴らしい曲がMr.Childrenにはあるのだ。

今日だって明日だって、Mr.Childrenの曲と共に"景色"として刻むことができる。そんな私にとってのアナザースカイ、Mr.Childrenです。

最後に「あざとくて何が悪いの?」のエンディングにも公私混同で使用している名曲「LOVEはじました」を貼り付けて終わります。
その意図は「『innocent world』から『LOVEはじめました』までやれちゃうミスチルの音楽性エグいよ?」と音楽通ぶるマウントです、ごめんなさい。でも凄いから聞いてみて下さい。

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