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気まぐれ×気まぐれ=不安定。

どうやったら君の視界に入れるのかな、とか
目にとまるのかな、とか
かわいらしいこと考えながらも行きつくのは
素直じゃないデロデロした自分の後ろ姿で。
君がすごく良いと言ってた曲を胸をキリキリ痛ませながら聴いていて。
ばかばか、と自分を殴りたくなるけど殴れなくて
今日も三度寝をかましてしまった。

これが恋をしてしまった私のモーニングルーティーンというか、デイリーハイライトというか、"日常"である。出会い、親しくなる人間全員に「ほんとにドライだよね」と言われ続け、でも悪い気はしなくて人に依存せず自分の世界を自分でぶん回してる風、を装えている自分が嫌いじゃなかった。

恋人ができても1年と続いたことがなく、いつでも相手のことはそこそこに好き、でももし次の日に居なくなっても私はノーダメージなのだろうなということは頭のどこかでわかっていた。

だから自分は世の中の多くの人々が経験するような胸を焦がす恋とは無縁だと思っていた。別れを告げられたら歌にしたくなるような、同じ匂いの人とすれ違って涙が出るような、一緒に訪れた場所に違う人と来た時に心臓がもげるような気持ちを味わうことはまたの来世で、なんて思っていた。

知りたかったけど、知りたくなかった。
意識していなくても頭から離れない存在を抱えるということ。
好きな人がいること。
優しいけれどずる賢くて、スマートなのに遠まわしで
女友達に相談したら5億%やめておけと言われる部類の人。

知らずにいられたら楽だったんだろうな
でも、知ったことで私という人間に深みが出たな、とも思う。
その点では悪くなかった。
強くもなったし、優しくもなった。たぶん、ちょっと面白くもなった。

良いことばかりじゃないけれど、悪いことばかりでもない。
気まぐれな私と気まぐれな君の組み合わせは居心地はいいけれど不安定だ。
お互いにお互いがふらっといなくなってしまうことを恐れていて、そうなる前に自分からいなくなってやろう、という意識が透けて見えている。
それぞれのくだらないプライドを、相手を牽制することで何とか保っている

もう大分長いこと会っていない。
君はもうほかの人を好いているのだろう
むしろそうであってほしい
私は納得がいくまで君を好きでいます。
そして好きじゃなくなったら会いに行きます。

私は気まぐれだからそんなことしないかもしれないし、
君は気まぐれだから不意に連絡をよこすかもしれないね。

私たちは平等に潔白じゃなかったし、まっすぐでもなくて思わせぶりで、
でも持て余してしまうぐらいの熱を持っていた。
名前を付けることすらできない関係も、そろそろ時効を迎える頃でしょう。

あまりにも可愛げのない、私の初恋はまだ燃え尽きていないけれど、
夏が来る前にちゃんと打ち上げて綺麗だったねと笑っていたいです。





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