- 運営しているクリエイター
#名案の全作
瞼を閉じて 【小説 #07】
※最後まで読んでいただけます。実質290字ほどです。
ユーチューブで歌っている人が、急に目を合わせてきた。
一瞬だった。
でも、ちょっと動揺した。
「カメラに目線を送っただけのことよ」
その通りだと思った。(どこからか、声がしただろうか?)
一人きりの部屋だった。
愛の歌だった。懐かしい感情を思い出させてくれた。たった数分間のことだけれど、とても幸せな時間だった。
でも、あの写真を思い出
敵 【小説 #12】
※最後まで読んでいただけます。実質720字ほどです。
※戦争を記述しています。嫌悪を予感される方はご遠慮ください。
どこかで、戦車が撃退されたと言っていた。
どこかで、軍用機が打ち落とされたと言っていた。
事実だと思う。
多くの兵士は、初めから戦地にいたわけではないことも知っていた。
その通り、君の見たことは全て事実だ。
それは、敵だと思っていた。
迫害し、苦しめ、正義に反する者。その確証があ
花の真実 【小説 #11】
※最後まで読んでいただけます。実質1170字ほどです。
瓶に挿そうとして、すっぽり中へ落としてしまった。
全く、どうしようもない失敗だ。
迂闊に傷つけたくはないと思うが、また気の利いたピンセットなどが見つからないとくる。
箸を使い、悪戦苦闘をすることになる。
不慣れなことをするとこうなるという見本みたいだった。
情けない。醜態の極みと思った。
花と、出会った日のことだった。
小物の店で、もう