米の黒人デモ・暴動を差別問題とすると、ずっと同じことを繰り返す理由。


まずは、簡単に今回のデモ・暴動の経緯や背景をざっくりまとめる。それからなぜ差別問題にしてはいけないのかの論点を丁寧に拾った上で、最後に今回の問題の解決案を示したいと思う。

 ①デモ・暴動の経緯や背景


通貨偽造を疑われて通報された黒人を、警察官が首を8分間膝で抑えつけて窒息してしまった事件が起きる。その警察官が白人だったこともあり、日頃の圧迫されてる気持ちや歴史的な差別経緯もあり、怒りが高まって、デモや暴動が全米に膨れ上がったものである。

これだけを聞くと、『アメリカの白人警察官はなんて酷いんだ許せない!』となるところだが、そう思うのはこの平和な日本だからであり、アメリカでは事情が違う。

日本で事件が起きた場合、犯人を取り押さえるのに、大体が警察で学んだ格闘術で十分である。
しかし、アメリカでは民間人に銃があり、薬物も広く出回っているのである。

日本のように警戒もなく、道端で事情聴取したら、いきなり銃で撃たれたり、中毒者に攻撃されてしまう。だから、警察官は気を張ってなくてはならず、攻撃される前に攻撃してしまわないと、周りが危険な状態に置かれることが日本より多いのである。

つまり、アメリカでは警察が酷くストレスがかかる状況にあり、その為に過剰防衛が起きやすい環境にあるのだ。

なら、犯罪やドラッグに浸る連中が悪いのかというと、そうとも言い切れない背景がある。

アメリカでは貧困の格差が激しい。多少景気が良くなっても、海外に工場を作りたがる企業が多く、仕事がなく日々の生活に困る人々が多い。
そこに移民や不法移民など入ってきて、仕事の奪いあいになるから、さらに貧しい状況が起きる。

人種間の差別や擦れ違いもあり、仕事と住居の面で追いやられた黒人達は、自分達が多く住む地帯を作る(他の人種もそれぞれ固まって生きている)。
追いやられた恨みもあるが、特に貧しいことによって身体面精神面教育面などのケアを受けられず、家庭や地域が不安定になり、犯罪に至る人が多く出やすい環境になっている。

要するに、アメリカでは黒人が犯罪に至りやすい環境にあり、それもまた警察が過剰防衛起きやすい環境となっている。

黒人側には黒人側が怒る理由があり、警察には過剰防衛してしまう状況がある。
だから、互いにやりあうことになるデモと暴動は、拡大と鎮圧で被害と憎悪を増していく。アメリカでは何度もそれが繰り返されているのである。

これらをまとめて、差別問題だとニュースと人々は言う。

黒人の有名人が白人を非難したり、白人の有名人がそんな黒人達を受け入れると、言い出すことが素晴らしいとして、流されることになる。

しかし、私はこれを差別問題としてしまうことは、間違ってると思う。
今からそれが、どう間違っているかと語っていこう。


 ②差別問題という解決に繋がらない捉え方


私は、あなた方に問いかける。

差別問題を解決する方法を知っていますか?と。

それに、たぶん皆はこう答えるだろう。

人種間で様々な交流をし、好意的な関係を持ち、どちらも同じ人間なのだと思うこと。
その為に差別は良くないと訴えていくことが、大事であると。

私はそれに、間違えではないが、全く十分ではない答えだと言うだろう。

どういうことか?

では、これを人種間でなく国家間の交流として置き換えてみる。

例として挙げると、相手と文化的な交流をする。相手と交換留学をする。外交官や政治家や国家首脳がゴルフなど個人的な友好関係を持つなどがある。

で、果たしてそれで、貿易問題・領土問題・軍事的な緊張状態・歴史問題など、国家間の様々な問題を解決することはできるだろうか?

否、それはそれぞれの問題での議論交渉、共同計画などによって解決するのである。


つまり、交流とは、その問題を解決する為の議論交渉計画をしても良いという、好意的な関係と雰囲気を内外に作る為のものであって、実際の解決は問題に対しての個々の議論交渉計画などが必要なのだ。
逆に言えば、交流だけしたところで、ろくに議論交渉計画ができなければ、何の解決にもならないのである。

だから、差別問題に対して、交流だけを訴えかけるのは不十分であり、個々の問題の取り組みが必要であるのに、どうすべきかの議論は行われていないように感じる。

貧困問題なら、生活保護などの社会保障や海外工場作る企業に圧力をかけるなど国内回帰を目指すこと。
加害者の改心には、犯罪者更生プログラム(AMITYや島根あさひ社会復帰促進センター)など、安らげる居場所を作った上で、自分の人生を見直し、問題の根を見つける取り組みをする(※詳しくはこちら)などがある。

このように個々の問題には、それぞれの解決方法がある。それを実現する為の環境作りや力集めは、酷く困難なものであるが、少なくとも向かうべき方向性は見える。

しかし、この差別問題という捉え方はどうだ?
それは、様々な問題をごちゃごちゃに混ぜた上に、交流で生まれた良好な関係さえも、その中に混ぜて台無しにしてしまってはいないだろうか?

問題解決の為に、一緒に取り組んでいる白人黒人の取り組みを、人種の裏切者と見なす捉え方にしてはいないだろうか?

なら、どうするべきだろうか。

あなた方はもしかしたら、互いの間に何か問題が起きた時、その解決を目指す為に、こういうやるべき態度があることを聞いたことがあるかも知れない。

それは、問題を相手そのものにあると見なして批判するのではなく、相手からは分離した上で問題そのものについて議論するという態度である。

相手から否定されたという気持ちは、それが仮に妥当なものであったとしても反発を生み、それは暴言と責任転嫁の応酬となり、しまいには暴力に発展しかねないものである。

果たして、この差別問題という捉え方は、それはそのまま白人が悪い黒人が悪いという相手そのものへの批判となってないか。

今回の件だってそうである。
本当に解決すべき問題は、警察官の身体と住民の安全を守りつつ、過剰防衛をせずに済むような捜査方法なのに、人種問題としてしまったせいで、暴言と暴力の応酬にしてしまったのだ。

おそらく、他の問題も人種問題として広げてしまったせいで、解決不能な状況にされてしまっているのだろう。

だから、差別問題という捉え方をやめよう。
人々と問題を分けて考えよう。
複雑な問題はわかりやすい形にしていこう。
そして問題を一つ一つ解決していこう。
その為に、互いの人種の交流を増やしていこう

個々の問題を一つずつ解決していくこと。その先に差別問題の解決があるのであって、差別問題と先に決めてしまうことは、問題の一つ一つの解決の妨げになるのだ。


 ③警察捜査改革について

では、それを踏まえて、改革案を考えていこう。

こういう時に参考になるのは、現実の状況について考えるよりも、理想の捜査方法を思い描いてみることである。そして要素を並べるとこうなる。

①パトロールで事件起きそうな場所を回る。
②事件を安全な場所から犯行確認・追跡ができる。
③疑わしい相手の武器薬物の所持、精神状態がわかる(問題ない時は、事情聴取や逮捕)
④③がダメな時に、大きな怪我無く鎮圧と確保ができる。
⑤①~④が適切に行われているか確認ができる。

これを技術で解決すると、

①は、そういうパトロールシステムを作る。
②は、撮影するドローンを使う。
③は、ドローンやロボットに金属や火薬探知機、脳波確認などの装置をつける。
④は、音響兵器(遠くから狙った相手だけ音で気絶させることができる)をつけたドローンやロボットや完全防備の警察官が行う
⑤は、車両監視カメラやドローン撮影や人々の撮影。これらについて評価や指示する部署を警察に作る。

こうすれば、警察官や住民安全守りながら、過剰防衛を避けることができる。
犯行しても逃げられないと思ったり、警察官に暴行受けないと思えば、抵抗の数も減る。

ほら、こうすれば解決だろ。
問題を定義して、理想の流れがわかれば、後は既存技術を組み合わせるだけで、解決への道筋を立てることができる。

そんな技術や技術万能な考え方はどうだろうかって?

確かにそのまま技術だけをただ進化させるだけなら、解決かも知れないが、このように適切に技術を配置することで、問題解決可能性は高まるのだ。この中で一番難しそうな犯罪予測も、AIの進化でそれが起きそうな状況になっている。

それに、仮に今の技術でできなくても、予算が足りなくても、こういうふうに定義できれば、解決に向かえると希望を持つことができる。それは、差別問題として捉え、一歩も先が見えないと悩むよりは遥かにましだろう。

だから、どうか皆さん差別問題という考え方から抜け出して下さい。
それが、差別問題を解決する為の、一番の近道で、唯一の道なのですから。




追伸

A「久しぶりだな」B「何してたの?」
A「いろいろとな。まぁ考えることもしてたぜ」B「今回みたいなことも考えてたの」
A「そうだな。あらゆることを考えてたよ。でもさ無力感にも襲われるわけ」B「何?答えが見つからないとか?」
A「答えなんかそのうち見つかるさ。それより答えが見つかっても、伝わらないことが怖い。俺にこういう時に発信力があればなと思うんだよ。これがアメリカに伝わったなら、もしかしたら今の争いを止められるんじゃないかなと、ニュース見ててそう思うわけ」B「まぁ、でも君ってさ」
A「そうだな。SNSで地道にフォロー広げていくとか無理。他人にコメントしたり、頻繁に発信はできない。書く気になることすら滅多にないのにさ」
B「僕も。Facebookで身内にたまにやるくらいかな。それ以上は無理」
A「そう。だからできたらこれを読んだあなたが拡散して欲しいかなって、それだけ。海外向けに翻訳してリンク貼ろうが、自分で英訳youtube動画作ろうが何でもいいからさ。やってくれたらありがたいぜ。また何か思いついたら書くよ。Bに調べてもらってもいるしな」
B「災害や政策や地方創生あたりを集めてるよね」
A「論点と答えが集まりきって、書けると思ったら教育論みたいに、論点と理想のやり方を書いていくつもりだから、また宜しく。まぁまだ全然足りない気がするんだけどな」
B「わかったわかった。読めばいいんだろ読めば」

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