読書メモ 「学力の経済学」
すごく良かった。
この本で語られるのは、エビデンス(証拠)に基づいた教育論。
「○○したら、子どもたちの目が輝きはじめました!」みたいな、無根拠な精神論ではなく、科学的な根拠に基づいた因果関係について語ってくれる。
やってることは、まんま行動経済学。
ご褒美の設計について
遠くのご褒美より、目先のご褒美を設定した方が効果が高い。
人は遠い将来の楽しみより、目先の楽しみを強く求めるもの。
たとえば、1年後にもらえる5000円がさらに1週間待てば5500円になる場合は5500円を選ぶ。しかし、今日もらえる5000円を来週まで待てば5500円になる場合は、子どもは今日もらえる5000円を選ぶ。
アウトプットにご褒美を与えるよりも、インプットにご褒美を与えた方が効果が高い。
「テストで80点以上とったら(アウトプット)」よりも「本を読んだら(インプット)」にご褒美を設定した方が、成績は上がる。
ご褒美にお金を与えるかどうかについては、小さい頃はお金よりもモノの方が効果が高い。トロフィー的な効果もあるとのこと。
だが、中高生ぐらいになってくると、お金の方が効果が高くなる。
褒める時は、能力よりも努力をほめるべし。
能力を褒めてしまうと、後の努力を怠って成長が頭打ちになるなど、逆効果になることがある。
勉強のさせ方
親が勉強を見たり、勉強時間を守るよう見守るのは効果が高い。
ゲームをやめさしたり、「勉強しなさい」と言うのは効果が低い。ゲームの時間を短くした結果、成績が上がるという効果は確認されていない。
勉強を見る時は、同性の親が見てあげる方が効果が高いらしい。男の子なら父親、女の子なら母親。
友達の影響
平均的な学力の影響は受ける。学力の高い学校・クラスに所属すると、成績にプラスの効果が見られる。
優秀な友人の影響は、プラスに働くとは限らない。コンプレックスになったりもする。
問題児からの影響は物凄く受ける。マイナスの影響。負のピアエフェクト。
友達が「成績」に与える影響はほとんど無いが、「行動」に与える影響はとても大きい。
悪友は貧乏神!
避けられない場合は引越しも考えるべき。
幼児期の教育の重要性
教育への投資は、幼児期が最も効果が高い。
6才時のIQが高いほど、40才時の逮捕率は低く、所得は高くなる。
子どものIQの差というのは、成長するほど少なくなってくるが、将来的には顕著な差を生む。
その差を生んでいるのは非認知能力。
自制心、グリット(やり抜く力)、社会性など。
きちんと親からしつけをされて育った人は、しつけをされずに育った人と比べて、平均して年収86万円の差。
非認知能力は、将来の年収、学歴、就職などに大きな差を生む。そして、この非認知能力は鍛えることができる。
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