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憧れのデートコースで

交際してから初めてのデートだ。
恋人が住んでいる神戸へ足を伸ばす。
街を歩くと目につく看板があちこちに。

『餃子』

私は餃子が好きだ。
好きな食べ物を聞かれたら餃子と答える程に好きだ。
あちらこちらに餃子店。
私の頭の中にこんなことばが浮かんだ。

「餃子はしごデート」

好きな食べ物をはしごするデート。
とても、それはもう、非常にやりたい!
いやでも付き合いたてで「餃子店をはしごしたい」だなんて言えるはずもない。本当は昨日から『餃子』の二文字が頭の片隅にいるのに。家に帰るまでのカウントダウンが始まりかけた頃、これからどうしようかなんて話をする。


1軒目は神戸元町ぎょうざ ひようたん
いつも並んでいるらしいが、なんと待ち時間はなし。幸先が良すぎる。店内は席数が少なく本当によく入れたと思う。餃子と瓶ビール、グラスふたつ。ふたりでビールを分けて足を揃えて待つ。鉄板で焼いている姿がカウンターから見える。餃子が焼きあがり、目の前に置かれた時にはすでに美味しかった、気がする。小ぶりの餃子に濃厚な味噌だれが絡まり、素晴らしいバランスだ。

2軒目は餃子専門店 赤萬
3組ほど待っていたが、せっかくだからと並んでみる。20分ほどで入店でき、寒かったねと席に着く。メニューは餃子とビールのみ。最高でしかない。追加注文はできないとのことで、でもはしごだからと二人前を注文。瓶ビールも言わずもがな。焼き上がりを待つ間にグラスにビールを注ぐ。そういえば店内にマリちゃんのポスターがあったな。こちらはどんな味かしらとそわそわ。野菜多めの餃子と白味噌ベースのタレが絶妙だ。



神戸の餃子はとても美味しかった。なんといっても味噌だれが絶品で、店によって味が違うのだ。まだまだ餃子店はたくさんある。自分好みの味噌だれ割合を見つけるためにも、もっとたくさんの餃子を食べなければ!
あぁ神戸好きかも、と本当に単純なのだ私は。

ここまで書いたのだが、これは現実なのだろうか。
もしかすると全て私の妄想なのではないだろうか。
不安になってきた。

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