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「給料」の新常識

column vol.672

今朝、出社するとプロセスデザイナーの柴田昌治さんの新刊『日本的「勤勉」のワナ まじめに働いてもなぜ報われないのか』がプレゼントとして届けられていました。

帯には「日本企業の給料は上げられる!」という力強いメッセージが。

尊敬する柴田さんにあやかって本日は「給料」をテーマにお話ししようと思っているのですが、少しだけ柴田さんについて触れさせていただきます。

柴田さんはスコラ・コンサルタントの創業者で、イノベーション・クリエイターとして数多の企業を革新に導いてきました。

その実績と手法を学ぶため、当社の法人向けセミナーにご登壇いただいたことがご縁に。

そして、何といっても、私がnoteを始めたきっかけが柴田さんなのです。

柴田さんの記事をフォローするためにアカウントを作成し、その後、ウチの若手社員がnoteを書いていると聞き、せっかくアカウントをつくったのだから自分もやってみようと始めたのです。

と自分の過去を振り返りつつ、本編のスタートです!

会社員の6割が「給料に不満」 

まずは言わずもがなですが、日本は「給料の上がらない国」として平成の世を歩み、今に至っています。

当然、給料に不満を抱く方も多く、転職エージェントのワークポートが20~40代のビジネスパーソンを対象に行った調査では60.3%「満足していない」と回答しています。

〈ITmediaビジネスオンライン / 2022年5月16日〉

また、給料の上昇に期待を抱けないことから、投資信託株式など、預貯金以外の金融資産を保有する人も6割に上ることが分かったそうです。

ちなみに、給料への満足度に関する回答の内訳は、「まったく満足していない」27.1%「あまり満足してない」33.2%

「とても満足している」と答えた人は6.9%に留まっております…(汗)

今後についても、現職での給料アップにどれぐらい期待できそうか尋ねたところ「まったく期待できない」38.5%

「あまり期待できない」38.9%と合わせて77.4%「期待できない」と考えていらっしゃるとのこと。

逆に「とても期待できる」はわずか1.9%となっております…(涙)

金融資産を保有する6割の人たちについては、最も多かったのは「生命保険(掛け捨て以外)」56.0%

次いで「投資信託」50.3%「株式」46.5%でした。

一方、仮想通貨などの暗号資産の保有者はまだまだ少数派だったとのこと。

いつもですと、本質的に給料を上げていくためには〜、という展開になるのですが、最近【「順位」から読む日本の課題と未来】でも若干自論を話しましたし、【「低賃金労働」からの卒業】では前編・後編に分けてじっくり語っておりますので、私の想いは過去の記事に委ねたいと思います。

また、柴田さんの本を読んで、さらにアップデートするかもしれませんので、この辺の話はまた後日語りますね。

「ESGの取り組み」で報酬が変わる!?

ということで、本日は今の時代を表していると思う給料についての話をいたします。

まず、最近は「ESG」の取り組みを役員の賞与の評価に反映させる動きが、三菱ケミカルホールディングス大和証券グループなど大手企業の間で広がっているそうです。

〈NHK / 2022年5月23日〉

三井住友フィナンシャルグループでは、今年度から役員の報酬制度を改定し、業績に連動する分に加え、環境や社会的な課題への対応を重視する「ESG」の取り組みを賞与の評価項目に組み入れました。

具体的には、外部の評価機関による会社全体の評価と、取引先の脱炭素化を促す投融資や温室効果ガスの削減についての社内目標の達成率に応じて、賞与の額がプラスマイナス10%の範囲で変動するというのです。

最近では「ESG投資」に注目が集まっている通り、投資家も社会的な取り組みに力を注ぐ企業を評価する傾向もあり、経営層としては企業価値の向上として推進したいところ。

三井住友フィナンシャルグループの伊藤文彦常務は

「カーボンニュートラルに向かう中長期的な流れは変わらない中で、経営陣がこの問題について真剣に取り組み、単年度ごとに着実に実績を積み上げていかないといけない。今回、定量的に役員の評価に「ESG」を取り組むことで、さらに取り組みを加速させたい」

と話しています。

自社の利益社会の利益を共存させるステークホルダー資本主義が一層加速していると感じますね。

近い将来きっとなくなる「給料日」

サスティナブルと並んで推進のキーワードとなっている「DX」ですが、現代ビジネス【もうすぐ、「給料日」という概念が消える日がやってくるかもしれない】という記事に刺激を受けました。

着目したのは「Superfluid」というサービスで、このサービスは「お金の流れ」に、延いては「給料の支払い」革命をもたらすと言われているのです。

〈現代ビジネス / 2022年5月26日〉

Superfluidは働いた秒ごとにお金の残高が更新されるサービス。

つまり、30分働いたら働き終わったタイミングで、すぐにその給料を使うことができます。

となると、一ヵ月分まとめて支払っていた給料日が要らなくなるということ。

いわゆる「お金のストリーミング化」と表現できるようなリアルタイム決済着金のタイムラグがない仕組みが生まれつつあるのです。

これは成果報酬型の給料体系の方は特にはっきりと自分の成果をリアルタイムで感じることができるでしょう。

一件成約し、喜びとともに口座を見ると、お金が貯まっている。

我々固定給であっても、時間が経過するたびに口座にお金が貯まっているのを確認できると、「あぁ…今、大変だけど、この間に給料が口座に貯まっていっているんだろうな」と思え、今まで以上に頑張れるかもしれません(笑)

もうちょっとマジメな話をすると、働く人にとっての一番の良さは、給料の未払い問題などが減少することにあるかと思います。

そんなこんなで、いつの日か、テレビの懐かしの映像で給料日が登場するかもしれませんね。

DXの加速で、あっという間に今日の常識が明日の非常識になっていきそうです。

ちなみに、柴田さんのnoteでも新刊について触れている記事がありますので、興味を持っていただいた方はこちらもご覧いただければ幸いです。

それでは6月も引き続きよろしくお願いいたします!

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