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「言語の壁」の次の壁

column vol.1156

昨日は「ヒューマンAIの進化」についてご紹介させていただきましたが

AIについての身近な変化として、今年は「リアルタイム翻訳」元年になるのではないかと思っております。

その第一走者として世界を駆け抜けているのが、サムスン「Galaxy S24 Ultra」シリーズでしょう。

〈Forbes JAPAN / 2024年1月31日〉

「Galaxy AI」とも呼ばれるこの機種が今後、言語への認識を大きく変えるのではないかと予想されているのです。

AIによって消える「会話の壁」

S24 Ultraシリーズは、今年の1月31日から世界の約120ヵ国で順次発売されています。

日本でも、同シリーズを疑似体験できるアプリ『Try Galaxy』日本語版が3月1日より提供開始されました。

〈SAMSUNG / Webサイト〉

このGalaxy AIで私が一番注目している機能が「Live Translate」、つまり “リアルタイム翻訳” です。

こちらは、AIを活用し、通話相手が話した外国語日本語に即座に翻訳してくれるというもの。

逆も同様で、こちらが話した内容相手先の言語に翻訳されてから相手に届くようになっております。

そのイメージムービーがございますので、ぜひこちらをご覧くださいませ。

〈Galaxy S24 Ultra Official Film: Live Translate | Samsung〉

凄いですよね…!

英語中国語一瞬で変換され、お互い母国語同士での会話が成立しています。

現在のところ、日本語、英語、韓国語、フランス語、スペイン語など、13の言語に対応しております。

もちろん、翻訳の正確性は100%ではないですが、そのことを前提にすれば、日本語しか話せない人であっても、世界中の人々と会話することができるようになるわけです。

スマートフォンでできるようになれば、当然、オンラインミーティングアプリでも実装されるでしょうし、いつかは、イヤホンとスピーカーさえあれば、日常会話も言語の壁を気にすることがなくなるかもしれません。

私の記事を読んでくださっている方の中には、iPhoneユーザーも多いと思いますが、アップルがアップルカーから撤退し、生成AIに本腰を入れていくようなので、「iPhone AI」が登場する日も近いでしょう。

AI翻訳で生まれる新たな壁

AIの登場で、会話の壁はなくなる。

そうなると、日本のグローバル化は一気に進んでいくでしょう。

一方で、会話はできるようになっても、新たな壁に遭遇しそうな予感もします…

それは、言語に根付く文化や習慣のギャップです。

例えば、欧米人が「疲労」という言葉を嫌うという記事が最近ありました。

〈現代ビジネス / 2024年3月6日〉

『疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた ブルーバックス』の著者で、東京慈恵会医科大学ウイルス学講座教授の近藤一博先生

欧米人は疲労(fatigue)に悪い印象を持っています。これは実際に私が経験したことなのですが、慢性疲労症候群の患者会の人から、
「自分は疲労するなどという弱い人間ではない。慢性疲労症候群などと呼ぶのはやめてほしい」といわれたことがあります

と仰っております。

ということで、日本ではお馴染みの「お疲れ様で〜す」は、場合によっては侮蔑的な意味に捉えられてしまう可能性があるわけです…(汗)

他にも、こうした文化・習慣から来るギャップは多く存在するでしょう。

言語とは、あくまでもコミュニケーション(相互理解)を実現するためのツールであり、コミュニケーションそのものではない

そのことをより鮮明に知らせてくれるようになるのではないかと感じております。

会話(単なる情報のやり取り)の壁がなくなることで、新しく対話(深い理解や共通の認識の獲得)の壁が見えてくる。

そんなイメージでしょうか🤔

より相手の国の文化・習慣・価値観を理解するだけではなく、自国のそれにも目を向け前提の違いを丁寧に理解する。

その違いを理解することへの意識が求められていくでしょう。

そう考えると、実は日本人同士のコミュニケーションも同じなんではないかと思ってきます。

多様性が重要視する時代において、自分の価値観を認識し、さまざまな背景を理解し合いながら、相互理解を深めていく

最近、TBSドラマ『不適切にもほどがある!』が話題になっていますが、まさに昭和令和価値観のギャップにお互いの世代が向き合う話。

多様性時代は、「アレ取って〜」の「アレ」が通用しない世界を示唆しています。

会話ではなく「対話」をより意識する

そんなことを考えながら、自分自身をアップデートしていきたいと思います😊

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