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「東京」を卒業する理由

column vol.438

緊急事態宣言が明け、最初の休日となった今日。

久しぶりに地元神奈川でもなく、職場がある東京でもない場所へ。

埼玉県東所沢にある日本最大級のポップカルチャー発信拠点「ところざわサクラタウン」に行ってまいりました。

久しぶりに東京以外の所に出かけたからか、ふと二人の賢者から発せられた共通のメッセージが頭をよぎりました。

「東京を卒業する」

一人は『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』『自由になるための技術 リベラルアーツ』などの著者であり、パブリックスピーカーの山口周さん。

もう一人は『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』の編集者として有名なコルク代表取締役の佐渡島庸平さん。

業界のトップランナーとして走る御二人が、東京を卒業した理由は何なのでしょうか?

メッセージに隠された意味を探りたい思います。

「相対的幸福」からの卒業

まずは山口周さんからです。

山口さんは2015年に東京から卒業して「葉山」に住んでいるそうです。

〈日経ビジネス / 2021年9月21日〉

山口さんと言えば、ボストン コンサルティング グループコーンフェリーなどで活躍した戦略コンサルタント

東京にいた頃はスーツスタイルにこだわり、良い給料に恵まれ、いわゆる世の中で言われている「いい暮らし」を追い求めてきたそうです。

しかし、皆が望む暮らしを手にする度に感じたのは、満たされない違和感

気持ちは沈む一方だったそうです。

人はどうしても社会性動物なので、他人と比べた「相対幸福基準」に陥りやすくなります。

自分の幸せの本質がどこにあるのか?そして、それを見失わないようにするにはどうすれば良いのか?

そこで、山口さんは東京を卒業して着飾らない環境を整えることにしました。

自分の「絶対幸福基準」に向き合うためのマインドを葉山で育んでいる。

私からすると、葉山は充分憧れの土地ですが(笑)

「同調バイアス」からの卒業

この山口さんと似たような想いで東京を卒業したのが、佐渡島さんです。

現在は「福岡」に移住したそうなのですが、大きな理由の1つとして「同調バイアス」から逃れたかったようです。

〈PRESIDENT  Online / 2021年9月22日〉

コルクを起業してから、ベンチャー起業家との付き合いが増え、上場しやすい環境に。

しかし、ご本人は「物語の力で一人一人の世界を変える」というミッションのために、上場という手段をとる必要はないと判断しているとのこと。

それでも、上場した仲間と過ごしていると、上場しないといけない気になってしまうようです。

40代の10年間は、不惑の10年

自分が何をする人なのか、自分で深く理解するために時間を使いたい。そのためには、住む場所から変えてしまうのが良いのではないかと思い移住したということです。

「人間の業」から逃れる環境づくり

本能的に周りと比べてしまうのが人間なので、「相対幸福基準」「同調バイアス」から完全に逃れることはできないでしょう。

自分は自分。自分らしく生きればそれで良い、…と誰もが思っていても嫉妬や、妬み嫉み自然と湧き上がるのが人間です。

東京というのはただのメタファーで罪はなく、御二人は自分を常に自分の軸から外さないために移住したと言えるでしょう。

そして、自分なりの幸福論を見失わないためには、常に意識して自分に向き合うことが重要になります。

山口さんは「絶対幸福基準」構築のために「自分が今、何が楽しくて、何がすごく辛いか」ということを書き出したそうですが、軸を見つけ見失わないための不断の努力が必要に思えます。

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角川武蔵野ミュージアムでは現代日本を代表する歌人の一人、俵万智さんの展示が開催されていました。

なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き

この歌に触れると「相対幸福基準」感じてしまうものであり、「絶対幸福基準」感じるようにするものだと思えてきます。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

うん、そうですね…。

十月二日の今日は、どんな記念日にしよう。

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