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「カニカマ社会」に抗うために

column vol.1159

昨日は【右に倣うな】と題し、「AI時代はオリジナリティがカギ!」という話をしましたが

先日、実業家の堀江貴文さんと、Voicy代表の緒方憲太郎さんの対談記事で面白いキーワードが語られていましたので共有させていただきます。

それが「カニカマ社会」です。

〈マネーポストWEB / 2023年11月23日〉

カニカマ社会??

と思う方も多いでしょうから(笑)、まずはこの意味について解説させていただきます。


「代替商品」が溢れる社会

カニカマ社会とは、本物も超えるような代替商品が溢れる社会のこと。

この言葉の産みの親は、Voicy代表の緒方さんです。

カニカマはカニの代替品ですが、本物よりも安価に味わえるだけではなく、むしろ食べやすく加工されています。

味だけを比べれば少々劣るかもしれませんが、賞味期限が長持ちするのに加え、パッケージで小分けにされているので扱いやすい。

つまり、本物よりも「便利である」という価値を持っています。

ということでいえば、トリュフ塩マツタケのお吸い物などもそうですね。

そして、持続可能な未来を実現するための「ビヨンドミート(代替肉)」などの開発が進み、味のギャップもどんどん埋まっている

他にも、ZARAなどのファストファッションも、デザイナーズブランドのようなデザイン性トレンド性「低コスト版」として着こなすという意味ではカニカマ的な商品と言えます。

シェアリングレンタルも、高級車やハイブランドを「持っている風」を楽しむことができるのでカニカマ的サービスになるでしょう。

サービスといえば、最近はレンタルフレンドレンタル彼氏&彼女などもよく知られた存在になってきており、カニカマコンテンツが続々と誕生していることを実感します。

今後はAIがより発達していけば、AIによる「カニカマ先生」「カニカマ恋人」「カニカマ部下」などなど、カニカマ的な人間関係(AIによるバーチャル)も増えていくでしょう。

noteの世界でも、AIがnoterさんに成り代わって記事を書くという状況がますます見られそうです。

「デュープ」を求める生活者

こうしたカニカマ社会の広がりに対して、生活者(消費者)自体も能動的に「代替」を楽しんでいるようにも思います。

それを証明するかのように、2024年の旅行トレンドの1つに「デュープ(Dupe)」が挙げられているのです。

〈Forbes JAPAN / 2023年11月21日〉

dupeとは「そっくりなもの」を意味する「duplicate」の略

本当に行きたい場所の代わりとなる、より安価な行き先が来年のトレンドになるというわけです。

例えば、ギリシャなら混雑するサントリーニ島よりも、あまり知られていないパロス島ロンドンなら代わりにリバプール、スキー旅行ならスイスのツェルマットよりも札幌が勧められているとのこと。

このトレンドは、トラベルボイス【2024年に注目される6つの旅行トレンド発表、「ロケ地巡り」「ノンアル旅」「雰囲気重視のホテル選び」など ー エクスペディア調査】という記事でも「そっくり観光地」というキーワードで取り上げられていました。

〈travel voice / 2023年11月22日〉

ソウルの代替地として台北、他にもバンコクではパタヤなどの検索数が増加しているようです。

加えてカニカマのように、本物にはないような価値(魅力)があれば、代替では終わらず、本物を超える存在として「新しい本物」になっていく。

そうした実感を生活者も感じ、カニカマ社会は加速しているわけです。

「本物」を磨く「オリジナリティ」

もともとマーケティングの世界では、「コモディティ化(同質化)」という言葉がよく使われます。

どんな優れた商品・サービスを出しても、すぐにコピーされコモディティ化されてしまう今日。

情報の流通速度が光なみに速くなっている時代ですので、ローンチした途端にあっという間に模倣されていきます。

そうした中、やはり本物が本物として存在し続けるにはオリジナリティの濃度「どれだけ高められるか」にかかっているのです。

それは、もちろん商品・サービス自体にも言えますが、どんな企業(個人)が生み出しているのかどんな企業(個人)が販売しているのか、という付加価値(独自価値)を向上させていくことも肝要となります。

例えば、同じレシピのカレー同じようにつくったとしても

A:福山雅治がつくって販売するカレー
B:池辰彦がつくって販売するカレー

どちらが多く売れるかは、ここで答えを言う必要もない、…でしょう(涙)

オリジナリティはビジネスの上での、まさに「総合格闘技」と言えるのです。

〜ということで、本日は昨日の記事の続きで「カニカマ社会」についてお話しさせていただきました。

「オリジナリティ」という言葉は、もはや使い古された言葉ではありますが、より深く理解し、取り組んでいくことが重要だと改めて感じる今日この頃です😊

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