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「仕事」が増える未来

column vol.1119

昨日は、AIによる「ウィズフェイク時代」を取り上げましたので、若干シリアスな内容になってしまいました…

ということで、本日は一転明るいニュースをお届けしたいのですが、AIによる不安といえば、「仕事を奪われる」不安もそうではないでしょうか?

最近は、「いや、奪えないんじゃないか?」という論調も強くなってきており、私もそうした考えを持っています。

こうした考え方を後押ししてくれる賢者の考察と出会ったので共有させていただきます。

【テクノロジーが発展しても「日本全体の労働力」が全く足りないワケ…「AIが仕事を奪う」は本当か?】

〈現代ビジネス / 2023年10月4日〉

こちらは、ライフネット生命創業者・立命館アジア太平洋大学(APU)学長である出口治明さんの著書『還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方』から抜粋・編集した記事。

出口さんも「AIは人間から仕事を奪えない」と仰っています。


AIが代替し切れない「人手不足」の未来

もう少し正確に言うと、AIは人間から仕事を「奪い切れない」というお考えです。

2019年4月に改正出入国管理法が施行されましたが、出口さんはこれを良くも悪くも「日本政府はAIが人の仕事を代替するとは信じていない証拠」と指摘しています。

政府の説明によると今後5年間で受け入れを見込んでいる外国人単純労働者最大約34万人程度です。AIが仕事を奪うという本は、何百万人単位で仕事がなくなると脅しをかけていますが、改正出入国管理法は、この先5年くらいは34万人程度の仕事もAIでは代替できないと日本政府が考えている証左です。これをみれば当面は大した心配はいりません。

そうした考察です。

もちろん、出口さんも「AIがどんどん人間の仕事を代替していく」高い能力があることは認めています。

実際、日清食品の最先端工場ではIoT技術の活用により、従来に比べ50%以上省人化できているそうです。

ただ、

現在70代前半の団塊世代は1歳当たり200万人くらいいますが、順次仕事から引退していきます。その一方で、新社会人になるのは毎年100万人弱。つまり単純計算すると100万人単位で人が足りなくなっていくのです。AIやIoTで埋められる規模ではありません

と考えていらっしゃるのです。

労働政策研究・研修機構の2018年度「労働力需給の推計」では、ゼロ成長で労働参加が現状のシナリオの場合、2040年就業者数は2017年の6530万人から5245万人へ、実に1285万人も減少

つまり…、言い方はアレですが…、選り好みさえしなければ、現時点では将来的に仕事がなくなる心配はほとんどないというわけです。

次々生まれる「新しい職業」

とはいえ、「自分にとってふさわしく働きがいのある仕事に就きたい」と思う方は多いでしょう。

もちろん、給与といった金銭的な理由もそうですね。

そんな中、これから誕生する&拡大していく職業もあるわけで、そうした仕事に鉱脈があるかもしれません。

出口さんも仰るようにYouTuberも最近生まれたばかりの仕事です。

ちなみに、AI時代に生まれる&拡大していく仕事とは何だろうと調べてみると、以下のような仕事がその代表格になります。

JobQ Town【これから生まれる新しい仕事 AIの普及によって必要な仕事は変わる!】

●データ探偵
●散歩・会話相手

●ロボットエンジニア
●VRクリエイター
●Eスポーツプレイヤー
●遠隔ドクター
●ゲストハウスのオーナー
●VTuber
●量子機械学習アナリスト
●人工知能(AI)ビジネス開発マネジャー
●遺伝子多様性責任者

〈JobQ Town / 2023年7月21日更新〉

AINOW【AIによって生まれる仕事10選 – AIに代替されない人材とは】

●データ探偵
●AI事業開発責任者
●散歩・会話の相手
●サイバー都市アナリスト
● 最高信用責任者
●フィットネス・コミットメント・カウンセラー
●財務健全性コーチ
● デジタル仕立屋
● エッジコンピューティング専門家
●ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター

〈AINOW / 2022年6月29日〉

当たり前なのですがDX人財はこれから増えていく

また、AIが分析した結果を、企業や組織にコンサルティングを行う仕事「データ探偵」を始め、データアナリスト関連の需要は増えることが予想されています。

そんな中、私が注目している着眼点が2点あります。

1点目は「遺伝子多様性責任者」「人工知能(AI)ビジネス開発マネジャー」「最高信用責任者」「ゲノム・ポートフォリオ・ディレクター」など、「責任者」という仕事。

これは、【本物のリーダーの唯一の仕事】でも触れましたが、AIは責任をとれないからです。

責任をとることは億劫な部分もありますが…、責任をとれるポジションに就いている人(就こうとしている人)、事件が起きた時に対応する力を磨いている人は、今後ますます重宝されていくでしょう。

「心を動かす仕事」を意識する

そして、2点目は「散歩・会話の相手」など、人と接する仕事

これは、AIやロボットの普及による人との関わりの希薄化、そして高齢化が進むことで生まれるニーズです。

現在もスキルマーケットプレイスの「ココナラ」では、悩み相談が人気のコンテンツになっています。

恐らく接客業、というより、美容師や介護士なども含め「人と接する職業」2極化していくでしょう。

例えば、世界的な小売りチェーンである「Walmart」ではAIチャットボットを活用した接客を進めています。

〈JBpress / 2023年10月9日〉※無料会員記事

また、フランスの大手小売業者である「Carrefour」も、今年6月から、自社ホームページ上にチャットボット「Hopla」を導入。

買い物客は同社のサイト上でオンラインショッピングをする際、予算や食材に関する条件、メニューのアイデアなどをもとに、AIにアドバイスを求めることができます

近い将来、実店舗でもAIロボットが接客する時代が来る。

一方で、無人レジが進む中、オランダの大手スーパーチェーンの「Jumbo」にある「雑談専用レジ(店員とのおしゃべりが楽しめる)」は人気となっています。

〈GIZMODO / 2023年1月14日〉

つまり、省人化すればするほど、「人は人を求める」という逆流が生まれるというわけです。

文科省「2040年の未来予測-科学技術が広げる未来社会-(Society 5.0)」によると、農業分野では

「アーカイブされた職人技を教えてくれる農業ロボット」
「身体の負担度が高く高度な育成・収穫技術を代替する自立型農業ロボット」

という技術が、2029年には社会実装されることを予見しています。

一方、技術分野の接客においても、どんな精巧なAIロボットが生まれてきても、お客さんが人間である限り、人に接客されたいという気持ちは消えることはないでしょう。

あとは「どんな人に接客されたいか」というだけだと思います。

今も商品やサービスを購入する際は、提供する企業や人によって選ぶことが多いはずです。

「人の心を動かせる人」「感動を与える人」は、どんなにテクノロジーが進化しても、変わらず求められる人財となっていくでしょう。

それは、YouTubeなどSNSクリエイターのような表現者(発信者)も同じかと思います。

人を感動させることを生業とする。

「自分にとってふさわしく働きがいのある仕事に就きたい」人は、自分の特長を見定めながら「人の心を動かせる商品やサービスを提供していく」ということを考えていくと良いでしょう😊

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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