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日本を照らす「再生可能エネルギー」の光

column vol.1133

今週、再生可能エネルギーについての明るい展望のニュースが飛び込んできました。

日本政府が24日、デンマーク浮体式洋上風力発電の技術協力で基本合意したと発表したのです。

〈JIJI.COM / 2023年10月24日〉

世界的な風力発電機メーカーを抱える同国と、産官学が連携して研究開発人材交流を進める枠組みを新設します。

風力発電の利用による二酸化炭素排出量を抑えた水素・アンモニアの製造と合わせて導入拡大を目指すという話です。

このニュースで着目すべきは「浮体式」であるということでしょう。

洋上風力発電は海に囲まれている日本にとっては、まさに恵みの電力になるはずなのですが、着床式だと日本は浅瀬が少なく簡単には建設できない状況でした。

一方、浮体式であれば、水深が深い海域でも利用しやすいので、もしも量産化できるようになるようなことがあれば、日本のエネルギー事情は非常に明るくなります。

〜ということで、この計画に期待していきたいのですが、そういえば最近、他にも「エネルギー」に関して希望が持てる記事に出会いました。

現代ビジネス【日本がエネルギー大国になる日~人工光合成と藻類バイオマスに期待】という記事です。

〈現代ビジネス / 2023年10月19日〉

今日はここで紹介されている「人工光合成」「水電解」「藻類バイオマス」の3つの取り組みについてご紹介したいと思います。


人工光合成&水電解の力で「水素大国」へ

まずは、人工光合成水電解についてです。

人工光合成とは、光触媒を混ぜ、太陽光が当たることで水素ができるというものです。

こちらは、もともと70年代酸化チタンを当てると水が酸素と水素に分解されることが明らかになったことで、80年代各国で熱心に研究されていた技術。

しかし、当時は上手くいかず、停滞ムードが漂っていました…

一方、日本だけは東京大学特別教授の堂免一成先生を筆頭に研究を続けており

00年代に入って、新しい光触媒の研究ソーラー水素製造の実証試験が進行。

そして今、低コスト技術として期待を集めているのです。

特に最近注目されているのが、人工光合成研究でトップを走る豊田中央研究所でしょう。

同研究所の人工光合成では、ギ酸(CH2O2)が生成されるのですが、これは常温の液体でありエネルギー密度も高いため、貯蔵物質として優れている。

つまり、ガソリンと同じように扱えるというわけです。

さらに、水素キャリア(水素を別の状態や材料に変換して貯蔵・運搬する)としても有望視されています。

それから、もう1つの水電解は、電気を利用して水を電気分解して酸素水素ガス分解することです。

仕組み的には、ほぼ無尽蔵に水素を生産できるのですが、コスト面の問題が実用化を阻んでいました。

しかし、デンソー600から800℃という高温で作動することによって「低コストでの水素生成」を実現しようとしています。

水素を生み出す技術は、日に日に高まっているのです。

一石二鳥の「藻類バイオマス」

そして3つ目の「藻類バイオマス」にも希望の光が降り注いでいます。

これは、からバイオ原油生産するというもの。

素晴らしいのは、下水処理場で下水を藻に浄化させながら繁殖させつつ、バイオ原油に変えていくので、水をキレイにしながら、エネルギーがつくれてしまうという一石二鳥の技術なのです。

MoBiol藻類研究所を設立した、元筑波大学教授の渡邉信氏さんは

日本は産油国になれる

と熱き想いを口にされております。

その言葉が現実に近づくビッグニュースが今年の1月にありました。

渡邉教授の研究に対して、国土交通省水管理・国土保全局から年3000万円の予算2年にわたって下りることになったのです。

これにより、まだ実証実験の段階ではあるのですが

日本全国に点在する下水処理場の3分の1で藻類が育てられ、原油生産を始めたとすれば、現在の日本の年間の原油輸入量1億3600万トンと同じ量の原油を藻によって生むことができる

というわけです。

「人工光合成」「水電解」「藻類バイオマス」、こうした技術が向上し、実用化が進めば、日本のみならず、世界中の希望になっていくでしょう。

現代ビジネスの記事は

人工光合成、藻類バイオマス、水電解などの「工場」が軌道に乗れば、エネルギー資源は「『採掘するもの』から『製造するもの』」へと大きく変貌する。
そうなれば。「製造業大国日本」が「エネルギー大国」になることも夢ではない

という力強い結びの言葉で締め括っていますが、私も心の底からそれを願っております😊

エネルギー自給率230%の村

最後にもう1つ、皆さんにご紹介したいニュースがあります。

実はこの日本に、エネルギー自給率230%の村があるのをご存知でしょうか?

それは、岐阜県「石徹白地区」

別名、「奇跡の村」と呼ばれているのです。

〈Forbes JAPAN / 2023年10月20日〉

人口約220人の小さな村なのですが、豊かな自然を生かし、わずか4台の水力発電機再生可能エネルギーをつくっています。

発電機は「石徹白番場清流発電所」と呼ばれ、2016年6月に2億円以上をかけて建設

発電した電気を販売することで毎年約2400万円を得ており、その一部の収益を銀行融資の返却に回しつつ、その他の収益は、街頭公民館電気代、荒れた田畑の再生など、全て地域のために使われているのです。

ここの発電所は、白山連峰から流れる川を利用する、いわゆる「小水力発電」なのですが、こちらの優れている点は、自然が持つエネルギーをそのまま生かせること。

大きなダムの建設は必要なく、水の流れを上手く利用して発電できるのです。

実際に奥飛騨の温泉郷の温泉街では同じような小水力発電が利用されており、年間で推定4000万円近くの売電収入が得られているとのこと。

小水力発電の発電量はあまり多くないのですが、水量と落差のある所ならどこでもできるという利点があります。

日本は降水量が多く水が豊かで、山地が多く高低差もある

小水力発電が広まっていくことで、エネルギー的にも経済的にも潤っていく地域がもっと増えると良いですね。

そして、今日のまとめをいたしますと

もしもさまざまな再生エネルギーの組み合わせで、…もしもですよ…、本当にもしも、日本のエネルギー自給率が230%にでもなったとしたらどうでしょう…?

そうしたら、きっと

奇跡の国

世界から評されるでしょうね〜

そんな未来を夢見て、これからも再生可能エネルギーに注目していきたいと思います😊

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