社会貢献を目指すお酒たち
column vol.1186
コロナ禍での楽しみの1つに毎日の晩酌がありましたが、ついつい深酒してしまう私…
そんなわけで、ちょっと体調を崩したことと、夜にやらないといけないことが増えたこともあり、平日はお酒を飲むのを控えるようになりました…😅
そんな中、今年の2月、厚生労働省から国内初となる「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が公表されましたね。
適切な飲酒量・飲酒行動への意識を社会全体で高めようとしています。
そんな中、「適量」を訴える、あるビールメーカーの興味深いアクションがあります。
〜ということで、本日はその話題を皮切りに、お酒を通して社会貢献する最新の取り組みについて、お話ししたいと思います。
ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。
「◯◯な男は、飲むな!」
適量を訴えるビールメーカーとは「ハイネケン」です。
メキシコでは
という広告を打ち出しているのです。
〈クーリエ・ジャポン / 2024年4月15日〉
実は同国では、アルコールの摂取が女性への暴力に結びついているという問題が顕著に出ているとのこと。
適度なアルコール摂取はコミュニケーションを促進し、文化を醸成するものですが、過剰なアルコール摂取による健康被害や、家庭内暴力などは大きな社会問題になっています。
そんな中、ハイネケンは「商品を売ればよい」ではなく、飲み方も含めてコーディネートし、アルコールの負の側面を抑えながら正の側面を促進しているのです。
もともと同社は
というコンセプトのもと、「環境」「社会」「責任」の3つの柱において、明確な行動指針を定めています。
例えば、「環境の柱」では、2040年までに自社のバリューチェーン内でネットゼロの実現を目指しています。
特に注力するのは、水資源の有効活用です。
日本では、水は豊富に存在しますが、世界の多くの国で水は貴重な資源。
そこで、自社工場だけでなく、バリューチェーンをさかのぼって農業まで含めて水のネットゼロを目指しているのです。
そして、3つ目の「責任の柱」では、アルコール製品を販売する企業の責任として、節度ある飲酒を推奨するためのガイドラインを設定。
日本でも、「よなよなエール」などを展開するヤッホーブルーイングが
という企業スローガンのもと、「ビールで幸せを感じる人が増えればきっと、世界は平和になる」とメッセージを発信。
適量と節度を守れば、お酒は確かに人と人の幸せの和をつくるというのは、その通りだと思います。
ハイネケンの覚悟を持った姿勢に、非常に刺激を受けました。
お酒から生まれる「寄付文化」
そして、人は自分が幸せを感じると、幸せをお裾分けしたくなる。
マズローの6段階欲求説が、まさにそうですね。
自己実現の後に自己超越欲求(社会貢献意欲)が待っている。
そんな人間の心理に寄り添った面白い取り組みが月に一度、東京・赤坂で行われています。
それが、『KIFUBAR(キフバー)』というイベントです。
〈BUSINESS INSIDER JAPAN / 2024年4月19日〉
「飲めば飲むだけ寄付になる」ソーシャルグッドなバー(Bar)イベント。
通常は別の店として営業しているバーを間借りして行われている月イチの取り組みなのです。
近年はクラウドファンディングやふるさと納税を通じた寄付・支援など、新しい寄付の動きがある一方で、“意識が高い一部の人がすること”といった捉え方がまだまだ根強い世の中。
そんな中、発起人の谷田脩一郎さんは、もっと寄付を気軽に行える社会を築きたいと、プロジェクトを企画したのでした。
内容は、寄付を募る団体がバーにやってきて、お客さんたちの前で自分たちの活動をプレゼン。
お客さんは、それを聞いた上で、スマホでドリンクを注文する度に寄付したい団体をセレクト。
すると、ドリンクの売上の一部が、セレクトした団体に寄付されるという仕組みなのです。
そして、何よりも良いと思ったのが、「プレゼンと寄付」ということで終わらないところです。
最終的には、団体とお客さん(寄付する人)がお酒を酌み交わしながら、カジュアルに打ち解けて交流する。
気がつくと「寄付を募る側」と「寄付をする側」の境界線が溶けながら、親交が深まることで、団体が抱えている想いを深く理解できるというわけです。
この寄付だけでは終わらない理解(親交)の深まりというところが、非常にヒントになりました😊
規格外のハマの酒
「深いつながり」といえば、私と関係の深い地元横浜の話題で締め括りたいと思います。
横浜といえば、生麦工場のあるキリンビール。
同社では、“規格外” のお酒を5月に発売するのをご存知でしょうか?
それが、 「氷結mottainai 浜なし」です。
〈産経新聞 / 2024年4月15日〉
商品名の「mottainai」は日本語に訳すと「モッタイナイ」(笑)
つまり、規格外として破棄される果実を「モッタイナイ果実」と位置づけ、商品に使うことで食品ロスの削減を目指すプロジェクトなのです。
そして、その第1弾として、横浜のブランド梨「浜なし」を使った商品が登場。
樹上で十分完熟させることで糖度の高い梨ができるのですが、蜜が多く柔らかくなり過ぎ、シャキシャキ感が失われて生食用に向かない「みつ症」と呼ばれる状態になりやすい課題も抱えています。
そこで、キリンビールは市場に出荷できない約2.2万個分の浜なしをお酒に活用。
そして今後、第2弾、第3弾と、果物を変え、「モッタイナイ果実」を合わせて年間150トン削減することを目標にしているのです。
新商品の販売目標は約18万ケース(1ケース=350ミリリットル缶24本換算)で、350ミリリットル缶の想定価格は税込み170円。
従来の氷結シリーズよりも値段が高くなる見通しですが、社会問題に関心の高い若年層をターゲットに、販路の拡大を狙っているとのこと。
ちなみに味わいについては、果汁が豊富で、甘くみずみずしい果実感。
酎ハイの爽やかさを楽しめるように仕上げているそうなので、非常に楽しみですね〜
ハマっ子としては、ぜひ発売されたら、呑む社会貢献を行いたいと思います😊
〜ということで、本日はお酒に関する様々なソーシャルグッドな取り組みをご紹介して参りました。
お酒の話をしていたら、久しぶりに平日晩酌をしたくなりましたが、楽しみは土日にとっておきたいと思います〜
本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました!
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