商品から読む ”これからの在り方”
column vol.690
池さんは”これからの在り方”を論じていることが多い気がします。
今朝、那由他さんが当社のnoteアカウント記事をご紹介いただくとともに、私に対して言及していただいたお言葉に乗っからせていただいて、本日は最近話題の商品から時代の兆しを読み解きたいと思います!
DXによる「パーソナライズド」が進行中
昨今、さまざまな業界でAI(人工知能)やビッグデータの活用が進んでいますが、美容業界でも、これらの技術の導入が目立っています。
〈YAHOO!ニュース / 2022年6月14日〉
特に目立っているのが「個々のニーズに応えようとする動き」。
今までケアコスメについては、私のコラムでも紹介してきましたが、ここにきて「メイクアップ」が盛んになってきています。
例えば、イヴ・サンローラン・ボーテ(YSL)ではビューティとAIを融合させたメイクガジェットを開発。
自宅にいながらにして、その日の気分やファッションにぴったりのYSLの口紅を数秒で作れるという優れものです。
また、シャネルの「パーソナライズド マスカラ」にも注目が集まっています。
こちらは3Dプリンターで制作された10種のブラシと、レギュラー・ウォータープルーフの2種のフォーミュラから、自分だけの組み合わせを見つけることで、理想のまつげを叶えられるというサービス。
今後は「ベースメイク」にもこのトレンドが広がっていくと予想されており、美容はますます「パーソナライズド」がキーワードになってきそうです。
「ジェンダレス」意識で商品を開発
水泳用品メーカー「フットマーク」の男女兼用のスクール水着が話題になっています。
〈産経新聞 / 2022年6月9日〉
長袖の上着とハーフパンツに分かれたセパレート型のデザインで、今年度は東京都と兵庫県の中学校計3校で導入予定。
来年は20校が採用を検討しているようですよ。
各校「水着は男女別のデザインが根強く、性差による違いがあらわになる」という課題に取り組もうとしています。
最近、アパレルブランドの中にはメンズ、レディス分けないブランドや、それぞれのジェンダーのアイテムを着回す提案などがよく見られるようになってきました。
航空会社が「レディス&ジェントルマン」のアナウンスを廃止していますが、今後ファッション界もジェンダレス化は加速していくでしょう。
「ゲーミフィケーション」がヒットへの種に
今、売れている「歴史本」があります。
『日本の歴史人物大事典』『日本の歴史大事典』などが知られ、累計発行部数130万部を超える西東社の「超ビジュアル!」シリーズです。
〈現代ビジネス / 2022年6月12日〉
こちらは3DCGの技術を駆使して、合戦や人々の暮らしを「かっこよく」再現。
同社の担当者さんは
『戦国無双』『信長の野望』などのデジタルゲームや、歴史もののトレーディングカードゲームではかっこいいビジュアルの作品が人気を集めているのに、児童書ではそうしたテイストの本がなかったことに注目しました。
と、同シリーズの企画意図をお話しされています。
一昨日の【「勉強が続かない」を無くすDX】でも語りましたが、ゲームの原則やデザイン要素などを他ジャンルに転用する「ゲーミフィケーション」の好事例なのではないでしょうか?
これは学習に限ったことではなく、今後さまざまな業界で見られることになるでしょう。
「楽しめる傘」が意味するもの
最後に紹介したいのが「シャイニーアンブレラ」です。
〈J CASTニュース / 2022年6月11日〉
傘は「1万本売れたらヒット」だと言われるなか、シャイニーアンブレラの累計販売数は22年5月時点で約25万本を記録したそうです…(驚)
当社の社員の中でも持っている人がいて、雨の日のモチベーションを上げたり、晴れの日での壁に映る影と光の様子を楽しんでいるとのこと。
ここでポイントとなるのが「付加価値の創造」でしょう。
傘というと雨をよけるものという機能性に目が向きがちですが、そこに「楽しむ」というプラスアルファを加えていく。
勉強する際、気分を上げるためにお気に入りの筆記用具を揃えるのと同じですね。
雨など憂鬱な時に関わる商品は特にこの楽しめるプラスアルファを考えていくと業界の常識を超えたヒット商品に繋がるかもしれません。
というように、さまざまなヒット商品の中に「これからの在り方」が潜んでいる。今日はそんな話でした。
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