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令和の「新人育成」とは?

column vol.1185

新年度が始まって1ヵ月も経っていませんが、新入社員の退職希望を企業側に伝える「退職代行」サービスに、早くも依頼が殺到しているそうです…(汗)

〈産経新聞 / 2024年4月19日〉

退職代行サービス「モームリ」を運営する「アルバトロス」によると、4月1日から18日までの間で、計129人の申し込みがあったとのこと。

昨年の4月は、1ヵ月間で18人

…ということで、今年は急増していることが分かりますね…

新卒者の主な退職理由

●業務内容や雰囲気が合わない…46%
●事前説明と実態の乖離…20%
●人間関係やパワハラなど…14%
●精神的・肉体的な不調…9%

などといった理由が並びます。

そんな中、令和の新人育成について、日本経済新聞の論説主幹である原田亮介さんは、「育て方改革」が必要だと指摘されております。


企業で進む「育て方改革」

転職も含めて自分のキャリア形成を重視する「Z世代」の価値観が、伝統的なタテ割り組織とかみ合わない

それゆえ、原田さんは職場内訓練(OJT)で育てる従来のやり方には限界があると仰っているのです。

ただ、若者の立場からしたら、以前のように「終身雇用」や「年功序列」を約束されていないのであれば、石の上にも3年、とも言っていられない状況でしょう…

さらに、パワハラ防止条例が施行されたことは若者にとってプラスですが、企業側がパワハラを過度に恐れた「ゆるい職場」が増加…

それに伴い「成長できないのではないか…?」との思いから転職する若者も増えていると聞きます。

昔に比べて若者が変わった、というよりも、社会が変わった。

そんな変革期の中で企業側もたじろぎながらも、何とか若手社員をつなぎとめようと試行錯誤しています。

その1つの方向性が、タテではなく「ヨコの教育」です。

有名な事例でいえば、串カツ田中の研修センター店でしょう。

〈d's JOURNAL / 2020年10月28日〉

「教え育てる教育よりも、ともに育つ “共育” を」

という考えのもと、新人が新人だけで切り盛りする店舗

その代わりに、お客さんは通常料金よりも安い金額でお店を利用することができるというメリットが。

新人は約1ヵ月間、この実店舗兼研修センターに所属し、失敗を重ねながら、理念やスキルを学びます

何より新人同士がヨコのつながりの中で、お互いが教え合い、支え合う

ヨコの教育の典型的な事例として注目されているのです。

学生同士で店舗を切り盛り

このヨコの教育で思い出した事例が、三菱地所中川政七商店がタッグを組んで行っている「アナザー・ジャパン」プロジェクトです。

アナザー・ジャパンは、「TOKYO TORCH」街区の銭瓶町ビルディング1階「ぜにがめプレイス」にある地方の魅力的な産品を紹介する体験型店舗

こちらは、店舗運営に関わる全ての業務を学生たちが担い、全国6ブロック×2ヵ月ごとの企画展を展開しています。

この事例も、同世代同士で切磋琢磨しながら成長するというもの。

こうしたヨコの教育の有効性リクルートワークス研究所・主任研究員の古屋星斗さんもZ、世代の若者たちは「タテよりもヨコのつながりを重視する」と指摘。

SNSを使い慣れ、同級生や同期のコミュニティーで立ち位置をいつも確認してきた。上司よりも異なる職場や違う会社の同世代がどう働いているかに関心が強い

と解説されています。

ちなみに、同社のアンケートでは「人から羨ましがられることは自分にとって重要である」という設問を肯定する回答が30代、40代に比べて非常に多く、45.6%を占めています。

リクルートワークス研究所

さらに、上記データを見ていただくと分かる通り、「自分が行動するか否かを決める際、友人にどう思われるかが重要は判断材料になる」という項目でも、30代、40代よりもグッと高くなっています。

こうした調査結果からも、若者がヨコのつながり(目)を重視していることが見えてきますね。

そうした中、社内イベントを仕掛けて若手の離職防止&主体的な業務進行を促す事例も増えてきています。

その1つがパナソニックの「運動会」です。

ヨコの絆を深め仕事を「自分事」に

今年の2月に、同社が東京・代々木第二体育館社員1200人が参加。

大玉送りなど「昭和の社員運動会」にも似た競技に会場は沸いそうですが、昭和とは大きく異なる点があります。

それは、参加者全員がキャリア採用を含む入社5年までの若手に限定

つまり、「若手だらけの運動会」だったのです。

そこから18人の実行委員を公募し、ゼロからイベントの企画・運営を委ねたとのこと。

チーム分けは所属をごちゃ混ぜにし、互いの仕事を語り合うセッションや、品田正弘最高経営責任者(CEO)など経営幹部と直接話す機会も設けたそうです。

この若手限定のイベントにした理由を、実行委員をサポートしたカルチャー改革チームの唐澤篤さん

入社5年を境にやる気が低下する社員が多い。コロナ禍もあり、事前と事後の交流も含めて、コミュニケーションを通じた行動変容を促したいと考えた」

と仰っています。

…それでも、北海道から鹿児島まで対象社員の3人に1人が参加した同イベントは、宿泊代や旅費などが多分にかかり…、会社が負担したコストは数千万円

社内調整では「イベントで離職率はどのくらい下がるのか」といった厳しい声もあったそうですが…

その心配をよそに、参加者の満足度は99.9%

理由は「入社年度の近い人との交流ができた」という回答が最も多かったそうです。

実際、イベント後、異なる部門の技術やマーケティングを生かそうという声が参加者から自発的に出てきたとのこと。

ヨコのつながりを生かし、人財の成長を促すという好事例なのではないでしょうか😊

…とはいえ、

先日、リクルートワークスの古屋さんにお会いした際も、「…令和の人財育成は、まだまだ答えが分からない…」

と仰っていたので、まだまだどの企業も道半ばといったところでしょう…

様々な事例を通して勉強しながら、当社も最適解を見つけていきたいと思います。

ちなみに、フォローしていただいている方が、本日「8888」名と、8が並びました。

8は末広がりでおめでたい数字。

何だか嬉しくなってしまいました😃

前回、ラッキー77777並びも見ることができ

このまま運気が上昇することを願いたいと思います〜

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!

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