見出し画像

創作文芸サークル「キャロット通信」の崩壊 の感想

スレッズから

痛いし、苦しいし、息つまる。読めて本当によかった漫画だ。

誰もが直視したくなくてずっと目線を外していた「何者でもない自分」に気づかされる瞬間のえぐさ。飛行機とともにみんな何かから降りていく。希望がないのが逆に心地いい。

SNS全盛の今、自分が才能がある、影響力があると示さなければいけない時代だ。ただ才能がある人は限られている。そうではない人はそのことを見ないようにし、自分を虚飾し、何者であるかのように振る舞っている。

でもスマホの画面から少し目を逸らせば、そこには逃れられない現実が待っている。

何者であるか諦めた人には懐かしい感情だろうし、いま何者かになろうとしている人にとっては「自分はこうはならない」と嘲笑するものかもしれないし、まだ夢への道がぬかるみに思える人には不安を掻き立てられるかもしれない。

後味の良い作品ではない。けれど人生は大半の苦味と少しの甘味で構成されている。事前に知っていれば、少しは耐えられるかもしれない。予習としても復習としても、苦味を味わっておいて損はない。

https://to-ti.in/story/carrot

よろしければサポートお願いします。 書きたいものはあるのですが、なかなか手に付かない時があります。そんなとき、貴方のサポートがあれば背中を押してもらえます。 けして文才があるタイプではないですが、10本に1本は面白いものを出せます。 その後押しをお願いします。