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2024年ー子どもと行くおすすめ展覧会

2024年ももうすぐですね。

この時期になると、来年はどんな展覧会があるんだろうとワクワクします。こんな雑誌も発売されていて、読んでるだけでウキウキ。

「芸術新潮」の方は、占い界隈で知らない人はいない鏡リュウジさんの年間占い付きという嬉しいサプライズあり。
本誌では宝石についての対談もあります。

他にも「美術展ぴあ」など色々あるので書店で手に取ってみては?
ちなみに私は上の2冊を購入しました!

さまざまな理由でほとんど行けないのですが、「どれに行こうかなー」と本をめくりながら妄想してる時間は幸せ。
小学生の頃、住宅販売チラシの間取り図を見て、そこで暮らすとしたらという妄想をしていた感覚に似ているような……

まあ、それはいいとして。

今回は、子どもと行くおすすめの展覧会について。
完全に独断と偏見で紹介します。
美術展選びの判断の一部としてご活用いただければ幸いです。


☆何はともあれ、好きなもの!

身も蓋もないことを!とおっしゃられるかもしれません。
でも、結局これが一番です。
親子共々、「なんかこれ面白そう」と思えたらそれが一番いいです。
その感覚がある時点で、絶対に楽しめる要素が少なからずあるってことなので。

ただ、それじゃああんまりなので、読んだ2誌の中からおすすめをーピックアップしてみます。


☆本質に迫って削ぎ落としたぞ!系

まずは、こちらの対談の引用をご覧ください。

「日経おとなのOFF」
作家の小野正嗣さん×心理学者の川畑秀明さんの対談から。

小野 「マティスの作品って子どもは好きですよね。なんでですかね?」
川畑 「単純化して描かれているから、わかりやすいのかもしれません。」
小野 「自分たちが描くものと近い感覚があるのかな。」
川畑 「彩色や形に対して、なんでこんな色なの? なんでこんな形なの?という驚きも湧いてくるし、かわいい絵も多いし。」
小野 「なんで?なんで? と好奇心が刺激される作品はすごくいいですよね。」

「日経おとなのOFF 絶対見逃せない2024年美術展」

マティスは、対象物の形や色、表現の中心のようなものに肉筆していった画家です。
そういう人たちの作品って、個人的にはすごく好き。
画家の情熱と、デザイン作品で感じるような削ぎ落とす冷静さとかっこよさを感じます。

子どもって、削ぎ落とされたシンプルさに親和性があるのかもしれませんね。

対談にもあるように、低学年〜中学年あたりは「自分と近しいもの」として感覚的に見られるでしょうし、自分に近いものは見ていて安心できるのがいいところかと。
高学年以上は「近しいもの」でありながら一歩離れて見ることを始める年齢。
言葉にはできなくても、子どもそれぞれに「通じ合える作品」を見つけることができそうです。


・マティス 自由なフォルム

国立新美術館
2024年2月14日〜5月27日

対談にもあったマティス。
晩年の切り絵に特化しているので、遊び心満載の作品群が集まりそう。

他に、そういう雰囲気のあるものとしては、以下がおすすめ。


・ブランクーシ 本質を象る

アーティゾン美術館
2024年3月30日〜7月7日

個人的推し。これは絶対行きたい。
子どもと〜とか銘打って何だけど、一人で堪能したい。
《魚》(1924〜26)が泳ぐ(回転する)姿はぜひ見たい。


・没後50年 福田平八郎

大阪中之島美術館
2024年3月9日〜5月6日
大分県立美術館
2024年5月18日〜 7月15日

作者の対象物への感動が伝わる作品です。
子どもが絵を描くときは、自分の世界で心が動いたものをまっすぐに表現してきます。
それを大人として、技術の習得と共に高めていったらこうなると言わんばかりの作品たちです。
代表作《漣》(1932)もかっこいい……。

他作品を眺めていると、かっこよさもあるけど、かわいさもすごくあります。

ということでお次は、 ↓↓↓


☆かわいい系ーかわいいは正義(?)

思春期を迎え、かわいいを拒否し始めたりしない限り、ハマる子は多いのでは。
いや、むしろかわいいを拒否し始めたからこそ、「アートだからさ」と誘ってみるのもアリ!

で、「かわいい」を考えると、意外と日本のものはおすすめです。
それに、日本ものって怖いモチーフもユーモアに富んだものが多い気がします。
(春画はちょっとアレなので見かけたら華麗にスルーを!)

で、まずは、はにわ二連発。

・特別展「はにわ」

東京国立博物館
10月16日~12月8日

・はにわと土偶の近代

国立近代美術館
2024年10月1日〜12月22日

われらがはに丸。ひんべえもいそう。(わからない人すみません)

縄文ものは子どもの感性と近い気がします。
単純に歴史として楽しめるものいいですよね。


・ポケモン×工芸展ー美とわざの大発見

昨年、金沢にある国立工芸館で催されたこの展示、2024年も各地を巡回するようです。2025年の予定まで出ているので、サイトにてお近くに来る日をチェックしてみては?

言わずと知れたポケモン。かわいいモチーフなのに、骨太の技術。
子どもはポケモンってだけで一緒に来てくれそうです。
すごい大人が真剣にポケモンに向き合った作品に、何を感じてくれるでしょうか?


・癒しの日本美術ーほのぼも若冲・なごみの土牛

山種美術館
2023年12月2日〜2024年2月4日

こちら会期中です。
これは大人向けの話ですが、子どもの長期休みって……疲れません?
大人も子どももお互いにギスギスしそうな時、穏やかな空気の流れる美術館で、ゆるやかで、まるころっとして、クスッとしちゃう作品に触れてみては?


ああ、もっと紹介したいけど日本ものはここまでで。
日本の絵といえば、漫画の元祖のようなものもあり、版画なんかは一般に流通していたポスターのようなものですし、万人が楽しめるものかもしれないですね。

で、漫画で思い出しましたが、こんなストレートに漫画関連もあり。ついでポップ系も紹介。↓↓↓


☆漫画、ポップ系

・創刊50周年記念 花とゆめ展

東京シティビュー
 2024年5月24日~6月30日(予定)

これ、「芸術新潮」のキャッチコピーがいい。

昭和の女の子から令和の女の子まで全員集合!バーティが始まるよ

「芸術新潮」2024年1月増刊号

男だろうが女だろうがお年寄りだろうが熟年だろうが子どもだろうが、ここにいったらみんな「オンナノコ」になってはしゃげそうです。


・描く人、安彦良和

兵庫県立美術館
2024年6月8日〜9月1日
島根県立石見美術館
2024年9月21日~12月2日

『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイン、作画監督を務めた人です。
私、ガンダムは全編見たことはないですが、それでもいくつかのキャラの名前とシーンを知ってるという有名っぷりですね。

親子で興味が合致すれば、満足しきりの展覧会ではないでしょうか?


・キースヘリング展

森アーツセンター
2023年12月9日~ 2024年2月25日
こちらも開催中。

Tシャツやバッグ、いろんなところで見かけます。
実は「見たことある!」というのも楽しめる要因のひとつ。
場に緊張しがちの子は、「知ってる」が見つかるとリラックスできます。
大人も、「知ってる」を改めて見てみると、面白い発見があるかもしれませんよ。



奈良美智展、村上隆展も紹介しようと思ったのですが、一見ポップで安心に見えて、結構パンチの効いたものもあるので、小さい子と行くなら下調べがいるかもです。
その上で、これは大丈夫と思えたらぜひ。
二人とも、日本の現代美術を牽引してきた作家さんです。その大規模展ですから、ぜったい見応えある。


☆下調べは必須

話の流れから。
以前の記事でも触れたのですが、ちょっと今回も。
※以前の記事はこちら↓↓↓

美術の世界ってトラウマものもあったりします。

どーんと表紙にもなってる「デ・キリコ」は面白いけどちょっと怖いですしね。
私は美術の教科書に載っていたデ・キリコの絵に妙な不安感を抱いてちょっとしたデ・キリコトラウマでした。
(今となっては見に行きたい画家さんです)

高学年以上というか、思春期の頃のそういう類のトラウマって、抱えておくことができる子もいます。(しかも後々それが表現の糧になったりもする)
でも、低学年くらいだとわけもわからず「怖いだけ」になりがち。

なので、どんな作品があるのかなと調べてから行くのがいいです。
変な思いするくらいなら、美術展に行かずに公園で遊んだり家で楽しんでる方がいいと思うので。

なので、低学年くらいだと毒気があまりないのがいいかも。
そういう観点でいうと、印象派なんかは毒なしかも。

いくつかあります。↓↓↓


☆印象派

・印象派 モネからアメリカへ 

東京都美術館
2024年1月27日~ 4月7日
いくつか巡回するようなので、↓↓↓でチェック!!

アメリカの印象派画家、メアリー・カサットは、母子の絆をモチーフにした絵を多くを描いています。
子どもとも見やすそうですね。
女性性たっぷりの優しい視点で描かれているので、ほっこりします。(実際、カサットは女性ですしね)
ただ、この時代に女性画家としてやっていくのは、強さも多分にあったのでは。
大人としては、そういう視点でも見てみたい画家さんです。

で、印象派といえば有名なのがモネ。
大規模展が今年もありますね。↓↓↓


・モネ 睡蓮の時

国立西洋美術館
2024年10月5日〜2025年2月11日
これも2025年以降巡回予定。

でも、モネの人気は強いので混むだろうなというのが気になることろ。

混むのを気にするならこちら。↓↓↓

☆お近くの美術館の常設展

高確率でゆったりみられます。リーズナブルで通いやすいのもいい。
そういや、あそこに美術館あったなーと思いついた方はぜひ。
大きいところでなくても、個人美術館など小さめでいいところが探すと結構あります。

それに、常設展は、子ども向けのパンフレットを配布していたり、鑑賞プログラムも組まれていたりするので「はじめての美術館」にはおすすめです。

こんな本も出ていますので、参考にされてはいかがでしょう。


☆おわりに

あーっ、まだまだ紹介したいーっ!!
面白そうなものがありすぎなんだよーっ!!
インスタレーション系も紹介したいーっ!!
ですが、長々となりすぎそうなのでここまでで。


どうでしたか?
気になるものはあったでしょうか?

ここで紹介したものに限らず、年間たくさんの展覧会が催されています。
夏休みや冬休みなどの長期休みは、子ども向けの企画があったりするので、ふと思い出した時に調べてみて、親子のアンテナに引っかかるもがあれば出掛けてみてくださいね。

夏は涼しい、冬はあったかいというメリットもあります!!


では、また。