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「もしもの時に」

これは実話をもとに作られた物語です。
よければ最後までお付き合いください。



仕事もひと段落し、家でのんびり寝正月。
そんな時に起こったのが、地震である。

私は幸いにも、被災していない。
詳しく言うと、被災はしていない。

始まる被災された方々を思う日々。
特にこれといって、その地域との繋がりはないし、知人もいない。ただ、何か自分の中で違和感があった。

多分、
「俺は幸せでいいのだろうか」とか
「何も助けられないじゃないか」とか
色々な理由はあったと思う。

だからか、ずっと年始からモヤモヤしている。
モヤモヤしていると眠れない。
眠れない時に決まって聴くのが、ラジオである。

深夜ラジオだと、芸人さんのリズムのあるトークにワクワクさせられながら、今まで考えていたことを忘れて笑わせてもらえる。

もちろん、地震発生して数日は、ずっと速報が流れており、私は怖くなって聴くことが出来なかった。

でも、その速報とともに様々な方の優しさを耳にした。

地震があったことも包み込んで、
落ち着かせてくれる放送。
地震があったことを忘れさせる放送。

思いやりのある、優しい放送が多かった。

自分にもしもの事があったら…
そう考えるとすごく怖い。
仮に地震が起きたと考えても、すごく怖い。
それは孤独との戦いにもなるだろうから。
何もわからない状況の中、今自分達がどうしたらいいのか、どこが安全なのか。
スマホに頼り切りの普段の脳みそは、アクシデントへの適応力は大丈夫なのか。

そんな時、ラジオがあれば少し安心だと思う。
日常的に聞く人は少ないかも知れない。
でも、人の声はとても不思議で、そして安心できるものだ。
だから、きっと私はこれからもラジオを聞くし、もしもの為にラジオを持つし、可能であれば、多くの人の手元にラジオがあってくれたらいいと思う。


ラジオを勧めるのは他にもある。
私は今回「被災はしていない」と書いた。
それは、被災していなくても、辛い部分がそれぞれにあったはずだと思うからである。

テレビではずっと地震の情報が流れて、お正月特番はなくなった。それが嫌だったわけじゃない。
けど、心の準備が出来てなかったから、すごく苦しかった。

この苦しさを埋められるのも、ラジオだった。
もちろんスマホを片手に、ゲームやYouTubeといった娯楽に苦しさを和らげてもらうのもいい。

ただ、人の苦しみは人とのつながりでしか解消できない部分もあると思う。

それが、リアルでの関わりでも、オンラインでの関わりでも、はたまたパーソナリティとリスナーの関係でも、人間関係が人を癒す事もあると、私は思う。

もしもの備えとして、ラジオを勧めたが、
本当に勧めるべきは、自分が安心する優しい人間関係やコミュニティ、言わば優しいつながりかもしれない。

日頃から色々なストレスがかかるのが、人間だと思う。
被災とは関係なく、日々辛い思いをしている人もいるだろう。

ぜひ、色々な方に、優しいつながりを持っていてほしい。
その中の一つに、防災でも役立つラジオを、強くお勧めする。

#もしもの備え

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