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【薬膳編】五行学説3 ≪肝≫とは?


春は『肝』と言われるわけ

中医学でいうところの自然界、整体観念の視点でみると、
以下のように言われています。

肝気は東方から吹き、温かい春風に乗じて草木のようにのびやか
成長しはじめ、冬に寒くて固くなっていた身体はやわらかくなり
温まっていく

参考文献  実用中医学:辰巳洋 

」は伸びやかなことを好み気の上昇、気の動きを司り全身の気の昇発運動を調節しています。

まさに、春の気候に合わせるように、ウキウキしたり不安になったり、ワクワクしたりとそんな風にイメージするとわかりやすいと思います。

肝の生理機能

「肝」は、肝臓と胆のうの臓腑のことです。
解剖学的には、右の脇腹に位置します。
身体の中で、最も血液を豊富に含む臓器です
血の貯蔵、血流のコントロール、消化機能の促進、精神活動の調節などに関わっています。

肝の生理機能

① 精神情緒の安定を維持する
② 気機(気の運動)をスムーズに巡らせる
  ・気・けつ・臓腑の働きを正常にさせる
  ・血液循環を正常に保つ
  ・水の代謝を順調に行う
③ 消化と吸収を促進する
④ 女性の排卵・月経、男性の射精の正常を保つ(肝と腎のバランス
⑤ 蔵血を司る
⑥ すじを司る(五体ごたい
⑦ 華(臓腑機能の良し悪し)はに現れる(五華ごか
   「爪は筋の余り」
⑧ に通じる(五竅ごきょう竅とは穴の意味)
⑨ 液体は五液ごえき
⑩ 情志は五志ごし

参考文献 実用中医学:辰巳洋

胆の生理機能

胆は肝の裏にあり、肝の疏泄(疏散させたり、外に排泄すること)をたすけ不良な刺激を助け、精神情緒を安定させ、精・気・けつ津液しんえきの正常な運行と代謝を維持する役割があります。

① 決断を司る(物事を決定)
② 胆汁の分泌と貯蔵
  肝の精血から胆汁を作り、胆汁は胆で貯蔵され分泌される

参考文献 実用中医学:辰巳洋
肝と影響を受ける人体

新生活で

この時期は、新しい生活や環境で精神的にも落ち着かなくなることがふえます。
黄砂や花粉の飛散もありアレルギー症状も出やすいです。
疲れやすくなったりすることも。

気が付くとこんな症状が・・・
 ・食欲不振
 ・胸脇痛や少腹部の脹痛
 ・憂鬱(不安)
 ・易怒(イライラ)
 ・頭痛 めまい
 ・不眠 多夢(夢をよく見る)
 ・生理不順
 ・目の疾病(目のかすみ、目の乾燥、視力低下、めまい)
         等々

肝をいたわる

肝は蔵血の臓器だとお話ししました。
まずは、「けつ」を増やしたり補う【補血ほけつ】の食材や
清肝せいかん】といって「肝」の熱をとる食材、
気の巡りをよくする【理気りき】の食材をとりいれてみましょう。

血を増やす

  • ほうれん草 小松菜 人参 落花生 ぶどう ライチ よもぎ

  • 松の実 黒豆 カシス 黒胡麻

  • 赤貝 あさり あわび いか 牡蛎 たこ ひじき

  • レバー(牛・豚・鶏) たまご 肉類

*レバーは、「以臓補臓いぞうほぞう」(類似するものを利用する)
といって、レバー=肝臓をたべるとよいとされる。

熱を冷ます

  • せり 豆苗 トマト マッシュルーム こごみ せり 菜の花 三つ葉

  • ふきのとう えのきだけ にら

  • アナゴ くらげ 寒天

  • レンズマメ 緑豆 たんぽぽ ウーロン茶 カモミール 菊花 ラベンダー

気を巡らす

  • 柑橘類(金柑・グレープフルーツ・ネーブルオレンジなど)いちご

  • みかん ゆず

  • 三つ葉 みょうが らっきょう バジル ターメリック カルダモン

  • カモミール ジャスミン 

香りのあるものや、酸味のあるもの肝の気に効果がある
いわれています。
食事でなくても、香りのあるお茶、フルーツティーやフレーバーティー、
ハーブティーなど手軽に扱えるお茶類で試してみてはいかがでしょう。

臓腑の関係


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