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映画『セメントの記憶』感想リレー①

現実と向き合うこと。

どれほど、勇気がいることか。

どれほど、苦痛をともなうことか。

どれほど、「過去」を受け入れるか。

どれほど、「未来」に想いを馳せるか。

「創造」と「破壊」の対比。

特に映画後半。映像を直視できなかった私は弱いのだろうか。

映画前半に美しいベイルートの海を見てしまったばかりに、後半に映るがれきの山々や実際の戦場の様子にはとても胸が痛んだ。映画終了後も、戦場の音は忌々しく耳に残った。

言葉少なく語りかけるこの映画は私に多くの疑問を残した。

彼らは何を想いながら働くのか。

彼らの目にベイルートの海はどのように写っているのか。

就寝前のSNSチェック。どんな感情を抱きながら眠りにつくのか。

彼らの家族は。母国は。法的身分は。休日は。未来は。

彼らについて考えること。忘れないこと。

それが、監督からのメッセージであり、私たちに課された向き合うべき課題なのではないかと考える。

レバノンは私たちを様々な扉の前に連れて行ってくれる。

一度食べたら虜になるレバノン料理、忘れてはならない内戦の歴史、豊かな自然、外国人との共生を模索する街、悠久の古代遺跡、美しい宗教施設、故郷の平安を願いながらも戦禍から逃れてきた人々、街中で見られる現代アート、エネルギー溢れる人々の声、、、

どの扉を開くのもあなた次第。

今回はレバノンからシリア労働者の世界を覗いてみるのはいかがだろうか。

「セメントの記憶」が1人でも多くの方の心に響くことを願って。

(文・堀越桃奈)

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