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農業・漁業の技術

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2023年3月の記事一覧

生しいたけの原産地表示

生しいたけの原産地表示

しいたけの原産地表示の基準が変わっていることを知っているだろうか?

野菜や果樹などの作物は、生産される畑と収穫地は同じ場所であることが一般的です。このため、農産物については収穫された場所を原産地として表示することになっています。

しかし、しいたけの場合は、しいたけの畑とも言える菌床やほだ木の製造された場所と、しいたけを収穫した場所が異なる場合があります。

近年は、海外から輸入された菌床から育

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花咲かじいさん

花咲かじいさん

民話「花咲かじいさん」には、灰をまいて枯れ木に花を咲かすおじいさんが登場する。この灰のように開花の時期を操る物質の研究が進んでいる。

植物は季節の訪れを知る体内時計をもつ。フロリゲンがその役割を果たしている。花芽を作るスイッチとしてはたらく植物ホルモンだ。

名古屋大学の辻寛之教授ら研究チームは、フロリゲンの働きに作用する物質の研究を行っている。植物の成長の針を早く進めたり遅くしたりする。課題は

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わすか数ヶ月で樹木の花を咲かせる

わすか数ヶ月で樹木の花を咲かせる

野菜の品種改良では、よりよい特徴を持つ品種ができたかどうかは、普通は1年以内に確認できる。なぜなら、芽が出てから種子が実まで、たいてい1年かからないからです。ところが、樹木の場合成長して、次世代になる種子ができるまでに、数年〜数十年かかるため、品種改良に長い時間がかかる。

アメリカジョージア大学の研究チームはゲノム編集により、ポプラの開花抑制遺伝子を改変して、約7年〜10年かかる開花開始時期を3

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ミツバチの過重労働

ミツバチの過重労働

イチゴの植物工場ではミツバチに授粉を任せているケースがある。

植物工場で授粉するハチは短命だ。自然界であれば1〜2カ月ほど活動するにもかかわらず、植物工場だと1〜2週間になるという。

その理由としては、栄養価が低いイチゴの蜜だけしかハチが得られないことや、太陽光が差し込まない閉鎖環境などが挙げられるという。植物工場はハチにとって過重労働の「ブラック職場」なのだ。

この状況を解決するロボットの

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