見出し画像

創始者たち

書名 :創始者たち
出版社:ダイヤモンド社
著者 :ジミー・ソニ
発行日: 2023年5月10日
読了日:2023年8月15日
ページ数:656ページ

夏休みに相応しい1冊。
600ページを超える大作。
PayPalの創業の興奮に満ちた物語。
読む価値充分。

この本は、イーロン・マスクとピーター・ティールについての多くの著作が存在する中で、最も深い洞察を提供してくれる。

まず、19歳の頃のイーロン・マスクが金融業界でインターンシップを経験していたことなど、これまで知られていなかったエピソードが明かされる。

その経験から、彼は銀行業界のイノベーションの限界を感じ、
その後の彼の挑戦の道を示すことになる。

Twitterが「X」に改名された背景にある理由も、
この本を通じて理解できる。

マスクがスタンフォード大学院に進むかどうか迷った過去も明らかになる。

アジャイル開発、フリーミアム、バイラルマーケティングなど、
20年以上前から彼らが直面した課題に対して
自然と取り組んできた手法も詳しく描かれている。

近年は手段が目的化されがちだが、本当は逆。
ビジネスに直面する問題に対して最適なアプローチが自然と生まれ、
その結果として新しいビジネスモデルや開発手法が形成されていく。

驚くことに、CAPTCHAが商用利用されたのは
ペイパルの決済が世界で初めてだったという事実も明かされる。

この本は、読者を彼らの旅に引き込み、成功と挫折、イノベーションの喜びと困難を共に体験させてくれる。

一読する価値あり。

未来に最も影響を与えることは何だろう
僕らが解決すべき問題は何だろう

創始者たち、P79

スタートアップの成功とは
正しいアイデアを生み出すだけでなく
誤ったアイデアに気づいてすばやく捨て去ることでもある

創始者たち、P106

「イーロンは「僕の服装が気に入らないなら、プロダクトも気に入らないだろう。そもそも彼らが投資するのはプロダクトであって、僕の服装じゃない」とはねつけた」

創始者たち、P193


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?