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学び方は違うもの - Different ways to learn -

先日、わが家の小学5年生の子どもと他愛もない会話をしていたのですが、話が伝わらない。伝わらないから話がすれ違う、という悪循環がありました。

分かりやすいように丁寧に説明しているつもりだけどまったく伝わらず、最後には子どもは怒って部屋から出て行ってしまいました。
私自身も「こんなに丁寧に説明しているのに、なんで分かってくれないの?」と嘆きたくなります。

しかしそれは、私と子どもの認知特性が違うから意思の疎通が難しくなっているのかもしれません。

そう感じたのは医学博士、小児科専門医である本田真美さんの著書『医師のつくった「頭のよさ」テスト~認知特性から見た6つのパターン~』を読んだからです。

この書籍によると、認知特性によるパターンによって、人は記憶の仕方や思考の方法、特異な学習法が違うといいます。
つまり、私と子どもの認知特性が違うから、「私の分かりやすい」が「子どもの分かりにくい」になっていたのではないのでしょうか。

認知特性とは -What are cognitive characteristics -

認知特性とは神経心理学でよく使われる言葉で「外界からの情報を頭の中で理解したり、整理したり、記憶したり、表現したりする方法」です。別の表現でいうと『思考のやりやすさ』となります。

認知特性は大きく分けると『視覚優位者』『言語優位者』『聴覚優位者』の3パターンです。そして、それぞれのタイプに2パターンに分かれ、以下の6つのパターンとなります。

  • 視覚優位者:写真タイプ

  • 視覚優位者:三次元タイプ

  • 言語優位者:言語映像タイプ

  • 言語優位者:言語抽象タイプ

  • 聴覚優位者:聴覚言語タイプ

  • 聴覚優位者:聴覚&音タイプ

視覚優位者:写真タイプ

写真のように、二次元で捉え思考するタイプ。
人の顔や風景などを覚えるのが得意。
何かを説明するときは図解などを使って説明、たとえば「野菜の名前をあげて」と言われたらスーパーの棚をイメージしながら回答します。

ちなみに私はこの視覚優位者:写真タイプでした。

視覚優位者:三次元タイプ

空間や時間軸を使って考えるタイプ。
何かを説明するときは図解などを使って説明したり、視覚優位者:写真タイプと似た部分はありますが、写真タイプとは違い記憶を映像として記憶したり、イメージに奥行きと時間の流れがあるのが特徴です。

言語優位者:言語映像タイプ

読んだり聞いたりした内容を映像化して思考するタイプ。
文章を読むだけで鮮明なイメージが浮かぶ、また比喩表現が得意など言葉を自由に操ります。

言語優位者:言語抽象タイプ

読んだ文字や文章をそのまま言葉で思考するタイプ。
勉強など記憶をするときは、図なども文章に変換して記憶する。
何かを説明するときは文章を使って説明したり、英単語などを書いて覚えたるのが得意。
また読み終わった本の中のどのページに、なにが書かれているか分かる能力もある。

長男は、この言語優位者:言語抽象タイプと思われます。テストは受けていないので親から見た主観ですが。

聴覚優位者:聴覚言語タイプ

文字や文章を「音」として耳から入れ情報処理するタイプ。
一度聞いたCMなどのフレーズや歌詞を覚えるのが得意です。
難しい話題でも話を聞くだけで理解したり、英語は聞いて覚たりと耳から入った言葉を上手に操ります。

聴覚優位者:聴覚&音タイプ

音色や音階といった音楽的イメージを理解・処理できるタイプ。
モノマネが得意だったり、外国語の発音が上手だったり音を自由に表現します。
また一度聴いた音楽のメロディを口ずさむことができるのが特技です。


自分がどんな認知特性か気になった方は、本田真美さんの書籍や、下記のサイトから認知特性テストが受けられます。よければ、一度お試しください。

タイプが違えば考え方も違う - Different types think differently -

6つの認知特性パターンで、記憶の定着や思考の方法がまったく違います。

私は『視覚優位者:写真タイプ』で、写真のようにイメージを記憶に定着させるのが得意です。何かを思い出すときにも、そのときの光景を思い浮かべます。うちの子どもの『言語優位者:言語抽象タイプ』のように文章にして記憶する人がいるとは思ってもいませんでした

思い返せば、私が長男に説明をするときは、図を使って説明していました。私は「図で説明した方が分かりやすいだろう」と『視覚優位者:写真タイプ』目線で説明し、これが分かりやすい説明だと押しつけていたのかもしれません。

また、言語優位者のうちの子どもは、できごとを一度言葉に変換してから説明します。しかも言葉への変換もまだ未熟なので説明がおぼつかない。

なので私にとっては、子どもの説明はとても回りくどいです。
しかし「見たまま説明してくれればいいのに」は視覚優位者のエゴだと気づきました

1人ひとりに合った学び方がある - There is a best way to learn for each person -

今まで私は『視覚優位者:写真タイプ』としか世界を見ていないことに気づきました。そして、その価値観を子どもに押しつけていたこともです。

それは本田真美さんの書籍に出会わなければ一生気づかなかったかもしれません。

学び方は人それぞれに合った方法があります。認知特性もそのひとつです。
これからは子どもをよく見て、子どもに最適な学び方を子どもと一緒に探していけたらなと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ー Thank you for reading to the end ー

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