Ayako

2016年10月に左胸乳癌が見つかる。気功治療、食事療法、植物療法などの自然療法で治療…

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2016年10月に左胸乳癌が見つかる。気功治療、食事療法、植物療法などの自然療法で治療中。 https://blog.thinkpink.today/

最近の記事

わたしの父の話

昨年の9月末のある日、叔母から電話があった。 数年前に地元へ戻って叔母と一緒に暮らしていた父が、失踪したので警察に届け出を出すと言う。 そのひと月前、父は朝早くに軽装でふらっと出掛けて、そのまま戻っていないという話だった。部屋には免許証や保険証、鍵などがまとめて置いてあったそうだ。 一瞬、どうしてひと月も届け出を出さなかったのかが気になったけれど、父の失踪は初めてではなかったから、叔母は、父がそのうちふらりと帰って来ることを期待したのかもしれない。 だけどわたしは、叔

    • 脳内英語のすすめ

      わたしの義父はアメリカ人で、日本語はほとんど話せない。 「ダイジョウブ」「ソウソウ!」「ゴメンナサイ」「ドウゾー!」それぐらいかな。 「Ayako」という名前はアメリカ人には発音しにくいみたいで、名前を呼ぶのもギリギリである。 必然的にやりとりは英語になるのだけど、日本人には英語が理解できても話すのが苦手という人が多い。 わたしももれなくそうで、完璧主義になりがちな性格も手伝って、言葉を口に出すのを躊躇ってしまい、義父といると口数が少なくなることが多かった。 間違わ

      • 癌を「自分で治す」と決める

        癌の診断を受けるすこし前、たまたま読んでいた小林健さんの著書に、彼が癌を自分で治すくだりがあった。小林健さんはニューヨークで活躍する自然療法医で、その本は『長生きしたけりゃ素生力をつけなさい』だったと思う。 最初に訪れたクリニックで「(胸のしこりは)おそらく、治療の必要なもの(癌)でしょう」と言われた日、わたしは、不安がありありと形になって、現実になっていく、まさにその瞬間を体験しているような居心地の悪さを味わっていた。 クリニックの医師は「ここでこれ以上の検査をしても仕

        • 癌の治療方針を決めるのは自分

          癌患者にとって、最初の大仕事は治療の方針を決めることだ。 自分で納得して治療法を選ぶこと。そして「癌を治すのだ」と決めること。これは、選んだ治療法がどうかということよりも、はるかに重要なことだ。 もっとも、病院で医師の言いなりになっていれば、ベルトコンベアーに乗っているようなもので、治療法は自動的に提示される。だけど、その場合にだってそれなりの覚悟が必要だ。 たとえば、いまだに根強く信奉される抗がん剤治療は、そもそも一か八かの治療法だ。正常な細胞も、癌細胞も、見境なく

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          乳癌と診断された時のこと

          多くの人にとって、癌と診断されたときが、自分の死と向き合う最初の瞬間なんじゃないだろうか。 「死ぬことだってできる病気なんだ」 癌を告げられた時、はじめて「死」の可能性を鮮明に感じた。変な言い方だけど、ぼんやりしたイメージしかなかったものが、突然鮮やかに姿を現したような、鮮烈な印象だったのだ。 その時から「生」は当たり前に与えられて、なんとなく続いていくものではなく、自ら選択するものになった。 生きることを意識的に選ぶようになると、瞬間ごとの選択は妥協

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