見出し画像

なぜ、太宰府は学問と令和の聖地なのか?

 西鉄福岡天神駅から二日市駅で大宰府線に乗換て太宰府駅へ。35分程度で到着。太宰府天満宮のおひざもと、太宰府市。
 私立大学の受験は佳境を越え、国公立大学の前期入試まで残り1週間を切りました。受験のシーズンに梅の花の季節を迎えます。
 合格祈願にぴったりな太宰府天満宮は、太宰府市の観光スポットであり、シンボルのような存在。さらに、街をあげて令和発祥の地としてもアピールしています。
 今回は、「なぜ、大宰府が学問と令和の聖地なのか?」という疑問から、調べるだけではなく、実際に行ってみて疑問を探究した結果できた、記事です。気づいたら4000字を超える作品になりました。


太宰府

 弥生時代から大陸との外交、貿易の地となった福岡。志賀島で発見された金印がその証拠の一つでした。九州地方の政府機関として701年の大宝律令のときに大宰府が置かれました。外交、防衛の拠点として発展しましたが、平安時代に廃止され、江戸時代には農村へと変化していきました。政治機関の跡地は現在の大宰府政庁跡にあたります。
 現在では、学問の神様、菅原道真を祀る太宰府天満宮を中心に、だざいふ遊園地、九州国立博物館もあり、歴史と文化を学べる観光地として繁栄し、受験生だけではなく、老若男女も問わず年間1000万人の人々が訪れます。太宰府市は、令和の発祥の地としてPRしています。

太宰府が令和発祥の地である理由

 2019年4月1日に決定された現在の元号、令和。出典は日本最古の歌集「万葉集」の「梅花の歌」三十二首の序文。そこには、大宰府で行われた「梅花の宴」について記載されています。「初春の月にして、気淑く風ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫ず。」という一首。意味は、「春の初めの素晴らしい月に、空気は清く澄みわたり、風はやわらかくそよいでいる」。
  当時の安倍首相の談話より、「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる日本でありたい」という願いも込められています。
 令和の由来を振り返ると、ふと思い浮かぶことがあります。それは、最後の関連記事をお読みください。昔の人々が観ていた情景、知恵を知るために、古典という科目が存在することを社会人になってから理解できました。

※この写真は太宰府で撮ってません

太宰府天満宮

 祭神の菅原道真は、5歳で和歌を詠み、幼少期に漢詩も作るほどの才能の持ち主。青年期に勉学に励み、努力の末、学者、政治家、文人として都で活躍しました。55歳のときに、右大臣まで出世しました。しかし、当時の左大臣(現在の内閣総理大臣のポジション)藤原時平が、道真の出世が気に入らず、平安京から太宰府に左遷されました。左遷後、現在の天満宮から約2km離れた場所にある榎社に住み、親族や友人に面倒を見てもらい、農家から食糧を買い取ったりして生活していましたが、胃潰瘍などにかかり、59歳でこの世を去りました。
 菅原道真の死後、埋葬のために亡骸を運んでいた御車の牛が突然動かなくなり、その地を墓所として祀ったのが大宰府天満宮の始まり。そのため、天満宮では牛が祀られています。なでた場所がよくなるという逸話があり、受験生を中心によく頭をなでられています。長野市などにある善光寺のびんずる尊者像も同様ですが、眼、腰、肩など身体の悪い箇所をなでる傾向にあります。
 その後、貴族の不審な死、天災が相次ぎ、「その原因は、菅原道真のたたりではないか?」と恐れられるようになりました。その怨霊を鎮めるために、太宰府に社殿が建てられました。現在の社殿は、1591年、中国地方を治めていた毛利元就の三男、小早川隆景によって再建されました。創建当初から、菅原道真のキャリアにあやかり、身分問わず学問の聖地とされました。
 菅原道真のお気に入りだった梅。そのため、神社のロゴマーク(神紋)として採用されている梅の花。本殿の右側に見られる梅の木が、「飛梅」。これは、菅原道真を追うように京都から太宰府天満宮へ飛んできたという伝説があります。境内には6000本もの梅が植えられており、2月~3月上旬になると、赤、白の花々が咲き誇ります。この梅の花一つ一つ咲かせることが令和時代の目標となります。
 菅原道真を祀る神社を天満宮と呼び、祭神の菅原道真のことを「天神さま」と崇めています。京都の北野天満宮など全国各地に12000社あります。太宰府天満宮が天満宮の総本山です。
 太宰府天満宮の奥にある太宰府宝物殿には、豊臣秀吉、黒田如水など当時の偉人から、天神さまへ送られた献上品がていました。さらに、梅にまつわる工芸品なども展示されていました。
 学問の神様にあやかって、受験生が多く参拝します。さらに、太宰府駅すぐにある一蘭太宰府駅店には、合格にちなんだ五角形の形をした器で提供されます。参拝して無事合格された方は、ぜひ、お礼参りをしましょう。

太宰府天満宮
拝観時間6:00-18:30(季節によって終了時間変動)
定休日  無休
アクセス 西鉄太宰府駅から徒歩5分

太宰府天満宮宝物殿
開館時間9:00-16:30(16:00まで受付)
定休日  祝日を除く月曜日
入館料(常設展) 社会人500円、高大生200円、小中学生100円
アクセス 太宰府天満宮本殿奥

梅ヶ枝餅

 太宰府天満宮の参道で観られる食べ歩きにぴったりな名物和菓子。左遷後の道真を心配した大宰府の老婆が道真の好物の餅を梅の枝に刺して差し出したのがきっかけで誕生しました。
 今回は、梅ヶ枝餅を食べるためにかさの家へ。どちらもベルトコンベア方式で横へ動く鉄板。そのため、効率よく提供でき、行列ができていても待ち時間が短いです。梅の香りはしません。あんこを挾んだ餅で表面には、梅の花をモチーフにした焼印が押されています。餅が薄く柔らかいためか、あんこもぎっしり詰まっています。1個130円(税込)とリーズナブル。
 10個以上でお土産にもできます。モチモチ感と柔らかさはできたてにはかないませんが、オーブンで軽く温めてから(できればストーブの上)食べるとできたてに近い味が楽しめます。

かさの家
営業時間 9:00~18:00
定休日  不定休
アクセス 西鉄太宰府駅から徒歩3分

スターバックス太宰府天満宮表参道店

 建築がユニークなためか、連日行列のできるスターバックス。ここでは、小石原焼のマグカップが販売されています。全国でも太宰府市にある2店舗限定でしか販売されておりません。
 スターバックスは古きよき建物をイノベーションしたり、景観にマッチした建築で街との共存する建物が観られます。前者は青森県弘前市にあるスターバックス弘前公園前、台北市にある店、後者は、富山市にある富山環水公園店、太宰府市の太宰府天満宮表参道店があります。
 スターバックス太宰府天満宮表参道店は隈研吾さんにより設計されました。隈研吾さんは、埼玉県所沢市にある「角川武蔵野ミュージアム」、東京都港区にある「高輪ゲートウェイ駅」など数多くの建造物を設計されています。
 今回のコンセプトは「自然素材による伝統と現代の融合」で、ガラス張りの店内、店内から入口に向かって飛び出した柱が印象に残ります。
 地元シリーズは、その土地ならではの産業、素材を取り入れた商品開発を行い、その土地の店舗限定で販売するシリーズのこと。小石原焼は、東峰村という福岡県の東部にあり、大分県日田市に接している村で製造されています。小石原焼は、器をろくろで回しながら、ハケや刃先で模様を入れていくのが特徴。素朴で温かみを感じるデザインです。

営業時間 8:00~20:00
定休日  不定休
アクセス 西鉄太宰府駅から徒歩3分

スターバックスについての記事はこちら。

九州国立博物館

 太宰府駅から徒歩10分の場所にある博物館。2005年10月16日、日本で4つ目の国立博物館として開館しました。
 博多ではなく太宰府に国立博物館が置かれた理由は、太宰府が奈良時代、九州の政治の中心だったため。九州国立博物館のテーマは、アジアとの交流。大陸との貿易が活発だったため、日本にどうやって取り入れられて定着するプロセスを学ぶことができます。さらに、立入禁止で守られている沖ノ島の出土品(すべて国宝)も見ることができます。日本の東西の違いは縄文時代にはすでに存在したと感じさせました。詳細は近日、執筆予定です。特別展も見どころの1つです。訪問時は、種子島の歴史を知る企画展が行われていました。

開館時間 9:30~17:00
定休日  月曜日、年末
入館料(常設展) 高校生以外の18歳以上700円、大学生350円、高校生以下無料
アクセス 西鉄太宰府駅から徒歩10分

だざいふ遊園地

 太宰府天満宮から九州国立博物館へ向かう道中にある遊園地。子どもたちにとっては、夢の国。親子で楽しめるアトラクションが24種類あり、ブロッコリーの収穫などユニークなイベントも魅力です。

営業時間 10:30~16:30(平日)
     10:00~17:00(土日祝)
定休日  不定休
入園料 中学生以上600円、65歳以上500円、3歳~小学生300円
※乗り物券別途購入必要
アクセス 西鉄太宰府駅から徒歩8分

まとめ

 太宰府は、奈良時代~平安時代、九州の政府機関が置かれた場所。現在では受験生だけではなく、老若男女問わず楽しめるスポットに変化していました。令和の景色を見るならば、2月~3月上旬がオススメです。参道で販売されている梅が枝餅、神紋の梅の花からも、梅とのつながりを感じます。
 さらに、九州国立博物館もあり、九州だけではなく日本とアジアとのつながりを学ぶことができます。
 ちなみに、大宰府駅そばにある一蘭大宰府参道店では、通常より2倍長い麺「合格麺」、五角形の器が特徴の合格ラーメンがあります。麺は昔から縁起がよく、「細く長く幸運、縁が続きますように」という願いと受験生を応援したいという想いが込められています。

令和を振り返って

 令和の由来を振り返ると、SDGsなどを配慮しつつも、よりよい日本になるように個の力を尊重し、咲かせることが重要であると思いました。自分の経験に自信がなくても、SNSなどに意見を述べるだけでも需要は意外とあるものです。ただし、昨今の回転寿司店の迷惑行為などは、やってはいけません。法やモラルは守るべきです。
 noteの皆さんの作品のように、一人ひとりの経験を表現に活かせば、すばらしい世の中になっていくと信じて日々活動しています。読書感想文でも、勉強したこと、調べたことのアウトプットの手段としてもいいと思います。ただし、自分の意見は入れましょう。そうでないと、ChatGPTなどAIに埋もれることになると感じます。

参考文献

関連記事

令和という元号の由来を振り返って改めて思うこと

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

探究学習がすき

よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは、よりよい記事の作成、クリエイター支援などnoteのクリエイター活動に利用させていただきます!