見出し画像

【旧正月】台湾新幹線で縦断するドラゴンスポット

結論

  • 春節は中国にとって重要な祝日だから盛大に祝う。

  • 台北には龍山寺というパワースポットがある。

  • 高雄には、蓮池潭に、龍虎塔、春秋閣というシンボルがある。


2024年は旧正月

東アジアだけではなく、中国の影響が強いマレーシア、ベトナムなど東南アジアなど一部地域でも旧正月が祝われています。

旧正月は、春節と呼ばれ、重要な神々と祖先際しに由来します。中国では春節は最も重要な祝日とされ、元宵節までの15日間続きます。日本では、関西地方では小正月までが正月とされており、関西地方の正月と中国の春節は期間が同じです。

日本は暦通りの正月を祝いますが、奄美地方、沖縄県では祝う文化があります。旧正月は春節と呼ばれており、1週間~10日ほどの連休があり、日本のお盆や年末年始休暇に相当します。国内や海外旅行を楽しんだり、故郷に帰省したり、お参りします。爆竹や花火を打ち上げて派手に祝ったり、繁栄の象徴である魚料理や富の象徴である餃子を食べる文化もあります。

春節は毎年日にちが変わります。

春節が毎年、日程が変わる理由

結論: 普段使っている暦と春節の基準となる暦が異なるから。

日本では、近代化のため、欧米諸国に合わせて1873年からグレゴリオ暦を採用しました。グレゴリオ暦は、地球が太陽を1周する期間を基準としており、通常1年365日で暦と季節が一致します。しかし、実際に地球が太陽を1周するのに365.24日かかるため、徐々にズレていきます。実際の地球の動きと暦のズレを修正するために、4年に1度(100年に一度は通常になる)、2月に1日追加します。2月が29日になる年をうるう年と言います。

一方、かつての日本で利用されたり、旧正月の基準となる暦は太陰太陽暦と言い、月の満ち欠け+太陽を周る地球を考えてつくられました。新月~次の新月の間を1か月とし、太陽の動きに合わせて12ヶ月で1年としました。月の満ち欠けを基準に1か月を考えると、29.5日、1年は354日になります。しかし、季節は365.24日の周期で変化するため、暦と季節がずれていきます。そこで2~3年に1回ほど「うるう月」を導入し、13ヶ月としてズレを修正しました。

うるう月のない年は、前年から11日前倒しし、うるう月のある年は、前年から18日程度足すと、大体現在の暦に一致します。

干支

干支(えと)は、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせのことです。

十干は甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸、の順に10日のまとまりで数えるための呼び名でした。現在でも、1か月を10日ごとに分けて、3つの旬(上旬、中旬、下旬)として使われています。古代中国では、この世のものは、すべて「陰」と「陽」の2つの要素に分けられるとする「陰陽説」と、すべて木、火、土、金、水の5つの要素からなるとする「五行説」という思想があり、これらを組み合わせて「陰陽五行説」といい、陰陽五行説を「十干」に当てはめるようになりました。

十二支は元々、12ヶ月を動物に当てはめて表す呼び名でした。動物は、日本も中国も同じで、「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、鳥、犬、猪」です。

十干と十二支の組み合わせが干支です。十干を最初の一文字、十二支を最後の一文字として組み合わせて表します。順列(順番を固定する)で考えると、10×12=120通りあります。しかし、十干と十二支は毎年1つずつ回ります。10と12の最小公倍数は60であり、十干と十二支、両方回る場合、60通りに減ります。60年間生きると干支を一周するため、60歳を迎えることを、還暦と言います。

2024年は、丙辰。日本以外にも、中国、韓国などアジアを中心にロシアにもあります。ベトナムでは、ネコ年があるなど、国によって動物が変わります。

今回は、辰年にちなんで、台湾新幹線を利用して龍のいる場所を訪れた話をします。

辰とは?

干支の中で唯一、現在も存在が未確認の架空の動物です。中国が起源とされています。頭はラクダ、頭頂はヘビ、角はシカ、目はオニ、耳はウシ、鱗はコイ、手はトラの姿をした聖獣で動物の頂点にたつ存在とされています。

元々、中国東北地方の畑作地帯で信仰され、虹色をしていたと言われています。次第に南へも信仰が広がり、稲作地方に伝わったときに、川、池に生息しており、水の神とされていたヘビと形が似ていたことから、ヘビに代わって水上として崇められるようになり、水に近い青色に身体が変化したと言われています。日本でも、稲作文化とともに伝わったため、龍は、水神として信仰されています。

台湾高鐡(台湾新幹線)に乗ってみた。

北の中心都市台北と南の中心都市高雄を台中、台南などの都市を経由しながら、最速1時間半で結びます。東海道新幹線700系にデザインが似ています。座席の乗り心地も日本の新幹線と変わらず、快適です。

しかし、東海道新幹線は、青色のラインが入っているのに対して台湾新幹線はオレンジ色のラインが入っていてちがいます。オレンジのなぜ似ているかというと、台湾新幹線は、日本の新幹線の技術を投入して誕生したから。内装も日本の700系の新幹線と変わりません。

台湾新幹線は、海外からの旅行客向けにオトクな切符が下の2種類、販売されています。どちらのチケットも台北〜高雄間は片道1650NTDのため、往復するだけで元がとれます。

  • 3日連続乗り放題。→2200NTD(約10000円)

  • 指定の7日間のうち2日間利用日を選択。→2500NTD(約11000円)

詳しくは、下の公式HPをお読みください。

龍山寺(台北)

1783年創建の台北有数の歴史のある寺院。四合院の伝統をふまえた宮殿式建築。神様も仏様も祀られており、仏教の観音菩薩、道教の媽祖、関帝、月下老人などさまざまな文武諸神も多く祀られています。どんな人々でも参拝できます。特に、縁結びのご利益があるとされています。

日本の寺社仏閣と同じように、お守りも販売されていました。おみくじもありました。

最初に線香を買って順番通りに参拝します。最後に、お守りを買ったり、おみくじをひきます。おみくじは、引き方が独特でした。まず、餃子の形をした駒を2つ取り、地面に投げます。表と裏の対が出れば引くことができます。日本と同じようにおみくじを引きます。

おみくじの左上を見ると、「上上、上下、中中、中下、下下」と書かれています。左から右へ、「大吉→吉→中吉→小吉(末吉)→凶」の順番に現状の運気を表しています。

蓮池潭(高雄)

台湾新幹線の終点、左營駅から孔子廟経由して徒歩30分のところにあります。バスでも行くことができます。蓮池潭という、千葉マリンスタジアム約5個分に相当する広さの淡水湖があります。蓮池潭には、廟が点在し、池の各廟を橋で繋いでいます。今回は、その中でも特に龍のいる塔を訪れました。

龍虎塔(高雄)

1976年、の畔に医療の神である保生大帝を祀る慈済宮という道教の寺院が造った2つの七重の塔があります。桟橋は悪魔が入ってこれないようにジグザグに折れ曲がっています。入口は、左に龍、右にトラが口を開けて待っています。

龍の口から入って虎の口へ出ていくと、今までの自分の悪行が清められ、災いも消し去ることによって、善人になれると言われています。十二支で、龍は最も善良な動物、虎は最も凶暴な動物とされています。そのため、入口と出口を間違えてはいけません。

龍の内部は死後の世界、虎の内部は仏教説話をモチーフにしたカラフルな彫刻で装飾されています。宗教を絵で表し、だれにでも世界観が分かるようにされているのは、キリスト教、イスラームでも行われており、世界のつながりを感じました。

塔を登ると蓮池が眺めることができます。GWに訪れたとき、ハスの花が咲き始めていました。

高雄のシンボル
龍に昇ってハスを眺める

春秋閣

1899年、関帝を祀る啓明堂という道教の寺院が造った春塔と秋塔の2つの塔です。2つの塔の間には78mもの竜の上に乗り、苦しみから救うとされる観音菩薩が立ちます。龍の体内には、煩悩と同じ数の108の階段があります、壁には十八羅漢、観音菩薩に関する仏教説話の絵が描かれています。奥の桟橋は、信託を受けて蓮池の中程に建てられた神々を迎えるための八角形の楼閣、五里亭に通じます。


今回は、2024年の干支である辰にまつわるスポットを訪れた話をしました。ちなみに、日本でも春節は祝われており、横浜、神戸、長崎にある中華街でも限定メニューが提供されたり、盛大なイベントが行われます。この3連休、中華街に行って春節を体感してみてください。

参考文献

茂木貞純(監修)、(2018)、「神社のどうぶつ図鑑」、二見書房
地球の歩き方編集室、(2023)、「D11 地球の歩き方 台北 2024~2025」、Gakken
地球の歩き方編集室、(2018)、「地球の歩き方 D13 台南 高雄 屏東&南台湾の町 2019-2020」、Gakken

この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは、よりよい記事の作成、クリエイター支援などnoteのクリエイター活動に利用させていただきます!