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読書記録

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読んだ本の雑感です。できるだけたくさん新刊を読みたいと思っています。
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記事一覧

島田潤一郎『あしたから出版社』(ちくま文庫、2022)

 島田さんの夏葉社のことを知ったのは吉祥寺の百年だったはず。島田さんが夏葉社を立ち上げた…

4

滝口悠生『高架線』(講談社文庫、2022)

 むちゃくちゃ面白い。文句なしで面白い作品。寝たのに目が覚めてしまった深夜1時過ぎから空…

7

高瀬隼子『犬のかたちをしているもの』

第167回芥川賞受賞者で『おいしいごはんが食べられますように』の作者が第43回すばる文学賞を…

6

宇佐見りん『くるまの娘』

『推し燃ゆ』は未読だが、複雑な家族の環境を描く物語として惹かれた。母は記憶に問題があって…

7

川上未映子『春のこわいもの』(新潮社、2022)

2022年の2月に出版された短編集。コロナウィルスのパンデミック下を描いた作品群と言えるだろ…

千葉雅也『現代思想入門』(講談社、2021)

 ノロノロと3週間ほどかけてようやく読み終わった。なぜこんなに読むのが遅いのだ。  前半…

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夕木春央『方舟』(講談社、2022)

 この作品も読むのに一週間ほどかかった。2023本屋大賞の候補作。たしか22年末の『本の雑誌』でミステリの読むべき本として紹介されていたような気がするし、往来堂書店の高橋さんのnoteで本屋大賞の選定の際に名前が挙がっていたため読んだ。  帯の文言はいささか大げさだし、好みかどうか聞かれれば300ページのうち250ページは素朴にうーん、退屈だったと答えると思う。というのも語り手があまりに自分の語りを意識していないように思えるからだ。なんというか探偵役のサポートにもなれていな