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一人暮らしの大学生に親が送るダンボールの中身写真集。

もし、そんな写真集がこの世界のどこかに存在するならパラパラとめくってみたい。きっと、ツッコミどころ満載でありながらどこか愛おしさの湧く素敵な写真集だろう。

大学の同級生が親から送られてきた仕送りの中身をインスタに投稿していたことがきっかけとなって、私はその魅力に惹きつけられた。当たり前なのかもしれないけれど、人それぞれ驚くほど中身が違う。味がある。物語がある。

私の家に時々届く親からの仕送りは毎回固定の生活用品と季節によって変わるものの2種類に分けられる。シャンプー、洗剤、ティッシュ、トイレットペーパー、カップラーメンなど私がスーパーで買ったほうが配送料を考えたらお得だと思えるものも届けてくれる(面倒くさがり屋の私はありがたく受け取ってしまう)。

冬になると風邪やインフルを心配して、もう使い終わってしまっただろうとマスクを入れてくれる(私はマスクがあまり好きではないので実は200枚くらい在庫を抱えている)。

寒いだろうからとカイロも入れてくれる(私はカイロの袋を開けて取り出すことすら面倒がってしまう人なので、これまた小さな砂場を作れるくらいには在庫がある)。

祖父母が農家だったため、お米も大量に届く(もちろん、お米を炊くのも...そう、米騒動が起きたら標的になるほど備蓄がある)。そんな私の性格と行動を見通してか、最近はサトウのご飯に変わった。本当に感謝しています。

喉の痛みにはマシュマロがいいらしいという謎のアドバイスにより、ある日大量のマシュマロがダンボールの中に押し込まれていることもある。マシュマロはとりあえず美味しかった。

一人暮らしだから自分では買わないだろうとお菓子も入れてくれる(ごめんなさい。主食はポテチです)。そのお菓子の中には必ず辛いお菓子が入っている。中学時代に私がハマっていたお菓子だ。きっと親は、私が今でも当時と変わらないくらいそのお菓子が好きだと思っている。当時ほどではないのだけれど、愛情を感じて未だに打ち明けられていない。そのお菓子は私に懐かしさを含むくすぐったい気持ちを抱かせる。いつも欠かさず送ってくれてありがとう。

とてつもなく個人的な欲求(物騒なニュースよりもほんのり幸せな気分になれるものに触れたいという気持ち)に基づく写真集を作るなら、ダンボールの中身の写真、送る側の気持ち、受け取った感想の三点はどうしても盛り込みたい要素。妄想が膨らむ。

実家から届く荷物、かつて届いた荷物とその物語をほんの少しおすそ分けしていただけたら嬉しいです。

#大学生 #エッセイ #写真集 #仕送り #実家 #一人暮らし




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