大手企業と中小企業の間には、しばし賃金格差が存在します。
大手企業は一般的に経済規模が大きく、市場での影響力がありますので、社員により高い給与を支払うことができます。一方、中小企業は資源や市場の規模が限られているため、給与水準が低めに設定されることがあります。
中小製造業が中心の産業別労働組合（産別）「ＪＡＭ」が組合員数３００人未満と千人以上の企業の月額所定賃金を比較集計したところ、２０００年から２３年間で最大３倍にも広がっていることが分かりました。

この格差の主な理由の一つは、大手企業が経済的に安定しており、競争力のある給与パッケージを提供できることです。これにより、優秀な従業員を引き付け、定着させることができます。一方、中小企業は資金やリソースが限られているため、高額な給与を支払う余裕がないことがあります。また、中小企業は市場での競争が激しく、利益率が低い場合があり、その結果として給与水準が抑制される事もあります。

この格差が拡大することで、労働市場の不均衡が生じる可能性があります。高賃金の大手企業に従事する社員が中小企業に移籍することが少なくなるため、中小企業は適格な社員を確保するのに苦労することがあります。さらに、賃金格差が広がることで、所得格差や社会的不公平が増大する恐れもあります。