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マッチ売りの少女2020|セルフブランディングから考える

こんにちは。京都在住のぐりです。

いつもご覧いただきありがとうございます。


今回は、

『神様に一番近い動物 ~人生を変える7つの物語~』

を読みました。


作者の水野敬也さんは、かの有名な『夢をかなえるゾウ』の著者の方です。この本は短編小説となっていてとても読みやすいのですが、それぞれの短編小説の一節には、考えさせられるエッセンスがちりばめられていました。


そのなかの1つ『三匹の子ぶたなう』は、タイトル通り、三匹の子豚が現代だったらをイメージして書かれた作品です。しかし、現代が舞台なのでストーリーはまったく異なります。

例えば、冒頭シーンでは宿敵の狼が童話『三匹の子ぶた』を知っているので、2匹のブタが、レンガの家に逃げられないように戦略を考えていきます。そのため、作中にレンガの家のぶたはほとんどでてきません(笑)

ぶたが狼をどう攻略するのかに収まらず、次第に世論も巻き込んだ規模の大きい話になっていくという展開は今のネットワーク社会を風刺しているようで非常に面白かったです。


そこで今回は、『三匹の子ぶたなう』のように

「童話」×「現代」の世界観を

僕も考えてみようと思います(笑)

最後にちょっとだけ物語っぽいものも書いてみました(笑)

最後までお付き合いください(笑)

マッチ売りの少女

アンデルセンの童話『マッチ売りの少女』のパロディを作っていきます。なぜ『マッチ売りの少女』を選んだのかは、特に理由がないです。頭の中に最初に思いうかんだ童話が『マッチ売りの少女』だったので、この舞台を現代にしていきたいと思います。

まずは、どういう内容だったか復習しましょう。(Wikipediaにて)

年の瀬も押し迫った大晦日の夜、小さな少女が一人、寒空の下でマッチを売っていた。マッチが売れなければ父親に叱られるので、すべてを売り切るまでは家には帰れない。しかし、街ゆく人々は、年の瀬の慌ただしさから少女には目もくれず、目の前を通り過ぎていくばかりだった。
夜も更け、少女は少しでも暖まろうとマッチに火を付けた。マッチの炎と共に、暖かいストーブや七面鳥などのごちそう、飾られたクリスマスツリーなどの幻影が一つ一つと現れ、炎が消えると同時に幻影も消えるという不思議な体験をした。
天を向くと流れ星が流れ、少女は可愛がってくれた祖母が「流れ星は誰かの命が消えようとしている象徴なのだ」と言ったことを思いだした。次のマッチをすると、その祖母の幻影が現れた。マッチの炎が消えると祖母も消えてしまうことを恐れた少女は、慌てて持っていたマッチ全てに火を付けた。祖母の姿は明るい光に包まれ、少女を優しく抱きしめながら天国へと昇っていった。
新しい年の朝、少女はマッチの燃えかすを抱えて幸せそうに微笑みながら死んでいた。しかし、この少女がマッチの火で祖母に会い、天国へのぼったことは誰一人知る由はなかった。

物語は、マッチに火を灯し幻想をみながら死ぬということが結末です。

しかしこれは現代社会において、とりわけストリートチルドレンを見ることがほとんどない日本を舞台に考えると想定しにくいシチュエーションですね。

おそらく、救急車で運ばれて一命をとりとめることでしょう。

今回は少女が死に直面する前に、マッチをすべて売り切るためのプロモーションを考えていきます。


現代版マッチ売りの少女の状況設定

【人物設定】

少女:お金はない、マッチ売り。(父親の虐待もアリ?)

【最大の課題】

・ライターが流通しているなかで、マッチを売るのは難しい。


ということで、お金のない彼女でもできるプロモーションを考えていきましょう。

(少女に同情してマッチを買ってもらうわけではないという前提のもと考えていきます。)


まぁ、正直なところこのご時世なら

主要都市の街頭で赤い服を着た少女が地面に座ってマッチを売っていたら、それだけでSNSに上がって拡散され、いわゆる「バズる」ことができるでしょう。そしたら若年層のファンが付き、その「おもしろおかしさ」でマッチを買ってくれる人もいるかもしれません。

この手法のキモは、マッチではなく少女自身に価値をつけているところです。

セルフ・ブランディングとよく言われます。

ただのマッチが欲しいのではなく、彼女のマッチが欲しいということです。



もうちょい深掘りして、どうしたらバズることができるのか考えてみましょう。

「意外性」って重要だと思いませんか?

マッチ売りなのに、、、?

少女なのに、、、?

というようにお客さんの感情を裏切る形にしたら、印象に強く残りますね。


それでは、

お客さんの期待を良い意味で裏切り、尚且つ少女自身の価値を高めるプロモーションとはどうしたらいいのでしょうか。


売る価値のあるモノ

結局のところ、少女は、お金が入ることが目的ですよね。

そのための道具がマッチしかないだけであって、必ずしもマッチを売る必要はないんじゃないかなって思います。

ということで、

「マッチ売りの少女」なのに、「マッチ」を売らない。

これだけで彼女のブランドディングが完成です。

このご時世、「マッチ売らない少女」は彼女だけです。検索されても彼女しかでてきません。そもそも他の人が少ないのですが、さらに差別化し話題性を呼べるようにしました。

コアターゲットにヒットすれば、バズることも十分に考えられますね。


ちょっと待て。

売らなかったら一体どうして、お金を得ようとするんだ。

と思うでしょう。


その答えは、「少女の価値を売ること」

セルフブランディングを最大限活用して、お金にします。


ミュージシャンが街頭ライブをして、通りがかる人たちにお金をもらうあの手法と同じです。

少女自身の価値を高めることで、その価値に共感してお金を払ってくれる人が出てくるでしょう。そのための小道具としてマッチを使うということです。


マッチの使い道

そう考えるとライターに比べ、マッチを道具として使う用途は、たくさんありますね。


マッチを一本動かすクイズを出題してみたり、マッチを使った手品を見せて実演販売のようなことをしてみたりするなどなど、、、


少女が使えば、

クイズを出題してくれる(モヤモヤをスッキリさせる体験・達成感)

手品を見せてくれる(→驚きの体験)

みたいな感じで、ただのマッチではない付加価値がつくわけです。


※ちなみにマッチ棒クイズは色々あるみたいです(笑)


マッチをほとんど使わない設定のものも考えました。

その名も!!!

「マッチウラナイ少女」です(笑)

「占い」と「売らない」を掛け合わせたなかなか秀逸なネーミングセンス(笑)

少女には、占いのスキルはないので嘘にならないように、カタカナにしました。お金が増えてきたら、勉強してほしいところです(笑)


~マッチ売りの少女2020~


寝静まる頃、少女は街に繰り出した。

1時間ほどふらふらしていた少女は、コンビニの前で地べたに座り込んで缶ビールを飲んでいる私を見つけた。

少女は私に近寄り、言った。

「お姉さん、お疲れ様。」

私は少女から突然発せられた柔らかい言葉に不意打ちをくらった。

それと同時に、私は辛い現実に突然引き戻された気がして大粒の涙がこぼれだした。

「あんま関わらないほうが、いいよ。」

と私は泣きながら言った。

少女は言う。

「マッチに火をつけたら、あなたの悲しみが照らされたから。」

彼女は新たにマッチを擦って、言った。

「あなたのココロに火を灯すために、一緒に話さない? この火が消えるまででいいから。」


× × × 


マッチの火が消えるとき、私の心のなかにある、何かむしゃくしゃしてたものも一緒に消えた気がした。

少女は、最後の一本のマッチに火を灯して言った。

「マッチってさ、自分の体を燃やして、光を灯してると思うんだよね。私たちも同じように、誰かの為に一生懸命働いてる。」

私は、静かに頷いた。

「でも私たちはマッチのように一回使い切ったら終わりじゃないんだよ。人って何度でも戦えるから。」

彼女の言葉を聞いて、私の心の奥に熱い光が灯ったような気がした。


~続く~


マッチウラナイ少女の物語はいかがでしたか?(笑)

途中どんな話をしたのかは、色々想像していただければと思います。

人の話を聞くという誰でもできることを、マッチ売りだからこその観点からケアをしているというところが少女ならではと言えるでしょう。



以上、マッチの使い道を考えてみました。

全てに共通するのは、モノを売るのではなく、そのトキを売っているというところです。

これからの時代はこのように、「体験」を売ることが重要視されるんじゃないかなって思います。


「童話」×「現代」は、想像が膨らんでとても面白かったです。

みなさんもぜひやってみてください!


【参考文献】



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