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【元書店員の本棚】ときめきは日常の中に♡「キュンとしちゃだめですか?」

大学時代の3年間+社会人5年間=計8年間、書店に勤務しました。
そんな私の好きな本達を紹介していきます。皆さんの本との出逢いのきっかけになれば嬉しいです。


キュンは特別なものではない!?

最近、ときめきましたか?私はこの本の導入部分を読んでドキッとした。

「最近、キュンとくる男子っていないよね〜」と、言っている女友達に会うと不思議でなりません。(略)キュンを信じて周囲を見渡せば、キュンとする男子はうようよしています。かっこいい男の長い指や、たくましい腕ばかりにキュンとしている場合ではないのです。

キュンとしちゃダメですか?

確かに。異性としての魅力にときめく事=キュンだと思うから難しくなるのかもしれない。
著者の益田ミリさん、他の作品もお茶目でほのぼのと柔らかい表現をされる方だなぁと感じる。そしてこの作品はより一層その魅力が出ている本だと思う。ここでは敢えて、私が「そこでキュン!?」と思った益田さんのニッチなキュンの瞬間を少しご紹介♡

「よくわからない汗」にキュン
色んな場面の汗があるけど、ここで出てくるのは「外回りから帰ってきた営業の人」や「デスクワークなのに、やたらと汗をかいている男の人」を指す。彼らが職場の女性にむさ苦しいと思われないように、ハンカチで汗を拭っている姿がキュンポイントなのだとか。自分が汗かくのも嫌いな私はその発想は無かった。確かに汗って何かと闘ってる時や本気で挑んでいる時に出るもの。そう思うとかっこいいのかもしれない。

「靴下半分」にキュン
掘りごたつ式の居酒屋で酔いが回ってきた時、半分だけ靴下脱いで足先にひっかけてブラブラしてる人いません?あれです笑
大人であり社会人である公の自分を保とうとする気持ちと、寛いだ気持ちが半々になっている姿が可愛く、それが年上であればあるほどキュンだそう。大学生時代に同年代の男子でそういう人が居たが、キュンどころか「行儀悪〜足臭いからやめてよ笑」と言った記憶がある。垣間見えるプライベート感、今ならキュンとできるかも?

「薄くなりそうな頭髪」にキュン
まだ大丈夫…だけどあと数年経つと…という男性が今ある毛を大切に守っている姿を見ると撫でてあげたい気持ちになるとの事。女同士が集まって好き勝手話していると、「ハゲとデブは無理〜!」というフレーズを何回聞いた事か。そこにキュンを見出す益田さん、さすがだ。散り行く毛を目の前にしてもキュンできれば、それはもう愛なのかもしれない。益田さんの様に人類を愛せる心を持ちたい。

私のリアルキュン

益田さんのニッチなキュンをお届けした流れで、私自身の職場編とプライペート編2種類のキュンをお届けしたい。

職場:シャツ腕まくり+電話中の姿にキュン
大学を卒業して最初に就職した会社の事務所。
振り向くと営業部の先輩達のデスクがあった。営業さんなのでスーツである。当時大学を卒業したばかりの私、それだけでも大興奮。そこでキュンだったのがカッターシャツを軽く捲って(あくまで軽く。ちょっと手首が見える位)キーボード打ちながら電話する先輩の姿!受話器を耳と肩の間に挟んでるのでちょっと頭を傾けているあの感じ。仕事できる感+スーツがキュンを掻き立てたのでしょうか?先輩が電話し始めると振り返ってガン見してたなぁ(怖)

プライベート:料理中の彼にキュン
今お付き合いしている彼は料理上手だ。彼と付き合って気付いたのは、私は料理している男性の姿にキュンとするらしいという事。自分の作った料理を美味しそうに食べてくれている姿も良いのだが、それ以上に、手際良くキッチンで動く姿を見ていると猛烈にキュンとするのだ。なので彼が料理している間じっと背後に立ち、写真や動画を撮っていると非常に戸惑っていた。やり過ぎ無い様に気をつけたい。
そういえば、学生時代の恋人がうどん屋でバイトしていた時、お店でかき揚げを揚げる姿を見て異常にテンションが上がった事を思い出した。キュンポイントは変わっていないらしい。

ぜひ、あなたの本棚に

大人になるにつれてキュンとする事が減ったと思っていた。でもそれはときめく出来事が減ったのではなくて、感度が下がってしまったからなのかもしれない。
見渡せばキュンはたくさん転がっていて、恋愛的なもの以外にも「和み」や「可愛い」のキュンはたくさんある。なんなら今日、散歩してるうちの愛犬を眺めてニコッとした知らないお姉さんにキュンとした。
人でも動物でも本でもお菓子でも良い、ちょっとした事の中にキュンを見つけられると、ときめきに満ちた日々を手に入れられる気がする。


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