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GBS|CIDP Foundation Internationalのシンポジウムに参加しました

2023年10月5日から7日にかけて、アメリカのワシントンD.C.で行われたGBS|CIDP Foundation International主催 2023 International Symposiumに参加しましたのでその感想などを書きたいと思います。


シンポジウムの詳細などはこちらからも見られます!


このシンポジウムは2年に1回開催されているもので、新型コロナウイルス感染症によってオンラインで開催されていましたが、2022年からは現地開催に戻って開催されています。

出発~入国

普段は車いすを利用しませんが、飛行機は空港内も長距離移動になりますので車いすを利用しました。その時の詳細な記事はこちらで紹介しています。

シンポジウム全体

シンポジウムは3日間のスケジュールで構成され、1日目の午後からウェルカムレセプションとして交流の時間、翌2日目、3日目は朝から晩まで様々なテーマのセッションが行われ、最終日は任意でWalk and Rollというチャリティウォークのイベントが行われました。

2日目、3日目のセッションの内容を少し紹介します。
プログラム内容はこちらから
https://www.gbs-cidp.org/wp-content/uploads/2023/09/Symposium-Agenda-FINAL.pdf

Shared Decision Making Approach in the Management of CIDP
CIDPの疾患管理について色々。

Change How You See; See How You Change
Positive Exposureという活動を行っている、写真家のRick Guidotti氏の講演。医学書に乗っている、白黒でネガティブなイメージの症例写真を、もっとその人らしく、ポジティブな印象に変えていこうという写真の力を活かした活動の紹介。日本でも展覧会やってほしいと思いました!

Staying Empowered During Challenging Times
コーチング、モチベーションに関する研究者によるセッション。SNSが精神に及ぼす影響とか、病気と生きていたら卑屈になりがちだけど、それをどうやって考え方を変えていくかのレクチャー。
SNSをだらだら見るのはよくないよ、しかも自分で投稿もいいねも押さずにただ見ているだけの時間があるでしょう?それなんの時間なのかしら!というのに会場が同意していて面白かったです。

Yoga & Stretches at Your Seat with Sterling Yoga
ヨガのセッション!みんなずっと座っていて聞くのも疲れるし、日常生活で取り入れられるヨガの実践など。ちなみにこのセッション以外にも、別部屋でヨガを体験できるコーナーがありました。

Navigating Misinformation
ワクチンや予後などについて、SNSで見かけるものの真偽やそれを見分ける方法などについてのレクチャー。

Empowering CIDP Patients and Caregivers
当事者と、ケアを提供する人(この場合家族、娘さんでした)の体験談と、どんなサポートがあればよかったかのお話など。

Nutrition
病気と生活する上での、食事の重要性について。健康な食事をとるためのヒントなど。日本人には当たり前のことも多かったですが、まず朝食はSavory(甘くないもの)から始めましょうというのでカルチャーの違いを感じました。

A Dive Into Research & How it Benefits You, highlighting the advancements of research, emerging opportunities, and how/why patient participation is key.
研究における患者参画の重要性について。

Benson Volunteer Award
その年に財団のボランティア活動で貢献した人の表彰。

Patient Empower Inspiration Hour
10人くらいの当事者や家族が、自分の体験を話す時間でした。ここで機会をいただいて私も体験をお話しました。自分の人生を決めるのは自分だと気づいたという話などをしてきました。

How to Maximize Your Appointment Time with Your Doctor
Support for Navigating the Patient Journey

限られた診察時間で、どのようなことをコミュニケーションすればよいか、そしてそのコツや医師が考えていることなどの実践的なレクチャー。

雑感

あとはブレイクアウトといって、疾患や興味関心ごとの部屋に分かれて、事前質問を医師や専門家に答えてもらうセッションが2日間ともありました。
ブレイクアウトではワクチンについての議論も結構多かったです。

全体的に、医学的な知識を一方的に教えるといったものは少なく(というか、ほぼなく?)、病気をもちながら生活する上での支障だったり、自己実現のためにこれをこう工夫していったらいいんじゃない?といった生活に根差した情報発信、対話で構成されていました。

特に印象的だったのが、医師との距離や関係性でした。お医者様にお伺いするという関係ではなく、あくまでフラットに対話できる環境がありました。国民性の違いなのか…

医師だけでなく、スポンサーの製薬企業のブースもたくさんあって、そこのスタッフさんも皆さん「患者様」という感じではなく、普通に同じ人同士としてコミュニケーションしてもらえました。アメリカは処方薬のCMもあるし、色々と規制が違ったり問題もあるのでどちらがいいとは言えませんが…

全体を通して、確かにGBSやCIDPといった疾患にフォーカスした会ではあるのですが、全体を通して「人」中心の構成でした。そして当事者だけでなく、ケアを提供する人のこともフォローしているシンポジウムでした。

スピーチで子供のことについて触れたこともあり、同じように疾患をもちながら子育てをしている方や、小児の当事者にも色々話しかけてもらい、疾患をもちながらの生活に国境はないと感じました。

日本の活動で何ができるか?

資金力や色々な文化的背景も違うので難しいことは多いですが、医師との対話のあり方や、疾患の医学的な解説と違う角度からの情報発信はすぐにでもできるのかなと思いました。

今回声をかけてもらい、一緒に参加したUさん、Yさん、一緒に参加できていなかったらこんなに充実したものは持ち帰れなかったと思います。本当にありがとうございました。

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