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『古代インドの衣装』を出版しました。

古代インドが好きすぎて、『古代インドの衣装』という本を作ってしまった……気付いたら100ページになってた……というお話。

『古代インドの衣装』The Costumes of Ancient India

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『古代インドの衣装』The Costumes of Ancient India
インドオタクのうすいほん。古代インド創作のための歴史と衣装がこれ1冊でわかる!を目指して作りました。イラストレーターさくらもちによる時代別のアレンジイラストと豊富な図像をもとに当時の衣装を解説します。
創作のお供に。インド美術に興味がある方にぜひ。

古代インドが大好きなオタクがツイッターで古代インドのことを呟いていると、いろんな方から質問がきます。特に多いのが衣装についてです。
確かに古代インドの衣装を調べようとしても、ネットではほとんど引っかからない。じゃあ本で調べようにも、そもそも古代インドのどの時代なのかとか、もとになってる資料は何かとか、そういうのが日本語でわかる本はほとんどないです。英語だとあるんですが、ほぼ絶版で入手がとても難しい。
だったらインドオタクでインドの図像学やってた私が、いろいろまとめてみなさんにお届けするのはどうだろう、と思いついたのがはじまりです。

私の専門はヒンドゥー教図像学で、インドの寺院などの彫刻をもとに、どんな時代に作られたのか、どんな神話や聖典のエピソードがモチーフになっているのかを研究していました。おかげでインドの寺院の屋根や彫刻をみたら時代と場所を特定できるという稀有なスキルを入手しました。
日本では全く役に立たないんですが。

インドの寺院の屋根はいいぞ、彫刻はいいぞ、と語りたいけどたぶん興味持ってる人がいなさげの限界ジャンルに長年住んでいるので、細々とツイッターで呟くしかなかったんですけども。
しかし、いろんな方からの質問に答えるうちに、もしかしたらこのスキル、古代インドの衣装をまとめるにはお役に立てるかもしれないじゃないか??と気付いたんですね。(突然、水を得た魚になるオタク)

でもね、古代インドといったらインダス文明からヴァルダナ朝くらいまでなので、かるく3000年超えちゃうんですね。
3000年分を一人でまとめることはできる?マジ無理じゃね?と思いつつも、さてどうするかーというところで、昨年Twitterで「古代インドの衣装とか文化について書いた本読みたい?」って聞いたら「読みたい!」「欲しい!」ってたくさんの人が声をあげてくださいました。
じゃあ書いてみるかな!と、喜んだインドオタクがちょっとばかり本気を出してみたわけです。
あのとき声をあげてくださった皆様、本当にありがとうございました。
後押しいただいたおかげで、この本を作ることができました。
その後、イラストレーターのさくらもち先生がご協力してくださることになり、イラストを描いていただけることに。お忙しいところ本当にありがとうございました。

同人誌(うすいほん)です。ご予約分の配送は終わり、現在では以下の通販サイトで再販分を入手できます。

2023年8月追記:2023年9月初旬に在庫追加予定

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『古代インドの衣装』をつくるにあたって

古代インドは資料が少なく、特にヴェーダ時代(叙事詩の舞台とされている時代、仏陀が生きていた時代)は衣装の参考になるような彫刻などがほとんど残っておらず、紀元前後の仏教遺跡の彫刻あたりからやっと具体的な形がわかるようになります。
そういう事情もあってか、インド本国でも叙事詩などの神話系映画や歴史ドラマでは衣装の時代考証はゆるく、史実よりかっこよさを優先している場合がほとんどです。
それに、インドでは大昔から「今の時代の格好で叙事詩や神話の人物を描く」ことが多く、ムガル帝国時代の細密画では、ラーマ王子は当時の王様の格好をして描かれていたりする伝統もあったりします。
なので、創作時にそこまで古代インドの史実に基づいた衣装にこだわる必要はないかとは思うのですが、歴史的な部分を押さえつつも、創作を楽しめる資料本になればいいな、と考えて構成を考えました。

「創作のための歴史と衣装を徹底解説」をコンセプトにしているので、古代インドの王朝別のアレンジイラストや図像の解説を山盛り入れてます。
その時代の歴史と、彫刻とアレンジイラストを並べて解説しているので、初心者の方にもわかりやすいかなあと。
ていうかサータヴァーハナ朝とクシャーナ朝の衣装の違いを知りたい人がおるんか……??と自問自答しつつも、ここで正気になっては負けると思ってさいごまでがんばりました。

90ページくらいと書いてるけど実際は100ページに。ぜんぜんうすくない。

さくらもち先生のイラストについて

さくらもち先生は、ゲームや本のイラストを描かれていて、以前FGOのイラストを見たときに「ヒャー、こんな透明感のある素敵なイラストを描ける人がいるんだねーーすごいーー!」とこっそり憧れていた方。
まさかイラストを描いていただけることになり、本当に感謝しかないです。
せっかくなのでと古代インドの王朝別に男女のイラストをお願いしまして(強欲がすぎる)、各時代を代表する彫刻をもとに、イラストを描き下ろしていただきました。
特にグプタ朝時代のパーンダヴァ五兄弟の彫刻を参考に描いてもらったアルジュナは、『マハーバーラタ』ファンの方にお届けしたい……

さくらもち先生のイラストは素材ではなく作品なので、トレースやコピーして使うことはできないのですが、プロのイラストレーターによる最高のアレンジですので、創作の際の参考にぜひご覧いただければと思います。

表紙の女性が身につけているのは、古代インドのアクセサリー全部盛り
です。時代は異なりますが、それぞれ紀元前〜紀元後のインドで流行していたアクセサリーをもとにオリジナルでデザインしていただいたもの。
さくらもち先生のイラストを見たインドの方が「古代インドを描いてくれてありがとう」とメッセージをくださっていたのがとても嬉しかったです。

さくらもち先生の可憐なイラストのおかげで、本の内容がずいぶんとマイルドに素敵になりました。本当にありがたいです……。

目次とサンプル

・ インドの歴史年表
・ 古代インドの服装ざっくり解説
・ インダス文明
・ ヴェーダ時代
・ マウリヤ朝〜シュンガ朝
・ サータヴァーハナ朝
・ クシャーナ朝
・ グプタ朝・ヴァーカータカ朝
・ 古代インドの戦士たち
・ 質問コーナー
・ 参考文献
・ 図版リスト

さくらもち先生のアレンジイラストと一緒に、参考元の図像も入れてます。
簡単な用語説明や、巻末の「質問コーナー」もいっぱい入れてます。
図像とイラストを並べているので、創作の参考になるよ。
壁画からおこした線画や彫刻の写真も盛り沢山だ。
王朝別に、歴史と服飾文化についてまとめてあるので、インド初心者でも安心だ。
古代インドの服以外でも質問がきそうな内容をたくさんまとめてるよ。
推し神様、謎多きチャンドラケートゥーガルの女神については長く語ってしまった……

というかんじの内容が100ページ続きます。

古代インドの創作がしたい、古代インドの歴史や文化、衣装が知りたいという方にむけたご本なので、ご興味がある方はぜひお手に取ってみてください。よろしくお願いします!


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