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俳句の話

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兼題の一字をどう詠み込むか?「霜」の句3選

兼題の一字をどう詠み込むか?「霜」の句3選

私の通っている句会には毎回兼題(テーマ)があります。例えば12月の兼題は「鴨」でした。ただ「鴨」の一字を使えばいいというルールなんです。つまり季語は、「鴨」でも「鴨鍋」でも「鴨蕎麦」でもいいわけです。

そんなときに「私は鴨を「鴨」のまま使う人は認めない」という方はいました。彼女に言わせれば、「鴨」がテーマなら「鴨」がつく言葉を広辞苑で調べて工夫して読み込む努力をすべきなのだそうです。そしてこの努

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めでたい!めでたい!そんな雰囲気「叔気満つ」

めでたい!めでたい!そんな雰囲気「叔気満つ」

俳句の季語には、「春」「夏」「秋」「冬」のほかに「新年」があります。つまり、正月を表す季語は、季節とは別のカテゴリーに分けられているんです。そんな「新年」の季語の中に「叔気」という言葉があります。

叔気は、本来漢詩などに使われていた言葉で、新春のめでたい雰囲気が天と地に満ちていることをいいます。新しい一年が始まったー!がんばるぞー!という新年の朝は気持ちもすがすがしいし、寒さに気持ちもぴぴっと引

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