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『きれいになりたい気がしてきた』(ジェーン・スー 著)

【内容】
エッセイストでラジオパーソナリティのジェーン・スーによるエッセー集。
女性向けの雑誌『美ST』に連載をまとめたもの。


【感想】
等身大の中年女性としてのブログの投稿が注目されたことがきっかけで、週刊誌連載するようになった人ということもあり、大人の女性に向かってキレのある文章を書いた本でした。

内容的には、素人美魔女のヌードについてとか、40代の女性の生理についてとか…いい歳の中年男性にとっては、遠目でなんとなく眺めている感じの話題を当事者の立場から語っているので、興味深く読めました。と同時に、男女関係なく納得感のある話などもあって、見えていなかったものの見方を提示していて、ちょいちょい良い拾い物をしたような気持ちになる本でした。

面白い文章書く人は、本人がより面白いというパターンはちょいちょいあるような気がしますが、ジェーン・スーの場合も本人が面白いタイプの人だと思います。以前、出演しているラジオや本の出版イベントに参加した時、身体からエネルギーが溢れている感じが伝わってきていました。それから、頭回転が早く、目まぐるしく思考しているのが、顔の表情や目の動きからガンガンに伝わって来てたり…彼女の頭の中で、思考というネズミが円形の遊具の上で走り続けているみたいな…

初期の頃のイベントでは、気持ちが顔に諸に出ていて、相手の意見に同意していなかったり、退屈していたりしているのが諸に態度に出ていたりしました。
時を経るにつれて、極端に気持ちを態度に出すような感じがなくなって来たのも、印象的でした。コロナ禍以降はそうしたイベントには参加していないのですが、現在はより洗練されて来ているのでしょうね…

ある程度まで活動続けたら、スパッとこうした活動を辞めて、どこかに行ってしまいそうな気が常にしている人という印象があります。
まあ、それまで独特の視点と切れ味のある話を楽しませてもらえればと思っています。

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334952921

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