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『マルドゥックスクランブル 圧縮』(アニメ映画)

視聴環境:U-NEXT

※ネタばれします。

【内容】
未成年の美少女たちを愛人にした後、殺してブルータイヤにする変質者。彼に殺されそうになった少女は、瀕死の状態で助けられ身体を改造され、殺人兵器となる…

冲方丁のSF小説を原作とした作品。


【感想】
手間暇をしっかりかけたハイクオリティのアニメーションでしたが、1時間ちょっとの作品の中に色んな内容を入れ込み過ぎていて、なんとなくしか展開や設定が飲み込めなかったです。
原作読んでいればわかるんだろう内容なのだと思いますし、なんとなくこの手のSFにはありがちなパターンなので内容を語られずとも、それなりに物語の流れはわかるし、迫力のある映像も力が入っている…
『AKIRA』で大友克洋がアニメでやったような方向性で、やり切りたいという意図を感じる作品でした。

でも、なんというかここまでやり切ってしまうと、観たかったのはそれだけではない…
というか、しっかりとした心が動かされる物語を観たかったのだと感じました。

少女買春、近親相姦、殺人鬼、変質的身体改造者…
うーん、現実世界でも観たくないのに情報が入って来てしまうようなものを、わざわざハイクオリティな創作物として、今観たいかと言われると、ちょっと良いかなあという気持ちもあったりとか…
とはいえ、アニメーションの作画や映像の作り込みでの満足感はあったりもしたので、作品として、かなりの完成度だとも思いました。

主人公の美少女の声優演じている林原めぐみの演技が、上手いながらも、その上手さが引っ掛かったりもして、それでよりそう感じた部分もあったような気がします。
凄い量や質の技術や経験の引き出しを、バンバン開けて、どれでもどうぞ使って下さいといった感じとでもいうのでしょうか…
キャラクターを掘り下げいくというよりも、アフレコの現場で凄い必殺技を繰り出しまくっていたのではとか…

上手い演技とか、凄いレベルの映像というだけでは、映像作品というのは心に響かないのだなあということを、凄く感じました。
作品としての志が低いとかそういうことではなく、何か制作者に核になるような強い想いみたいなものが強烈にないと、それはそれでそうしたものとして、伝わって来てしまうのではないかと…

http://m-scramble.jp

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