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「身体と心の調和 リセットできる場所」                                 手塚奈穂子さん

こんにちは! 
今回は産業保健師として現場で活躍している、手塚奈穂子さんにお話を伺ってみました。手塚さんから合氣道への想いや魅力をお伝えします。

手塚奈穂子(てつか なおこ)
1976年生まれ。天通合氣道初段。保健師。
看護師・保健師の資格を取得後、大学附属病院の看護師、訪問看護師などの経験を積み、現在は企業に勤務。

合氣道との出会いは?

― 合氣道を始めたきっかけ

私の伯父は若くして亡くなってしまったのですが、合氣道を学んでいていました。
とても優しくて、祖父母の家に伯父の道着姿の写真が飾ってあるのですが、それがすごくカッコよくて! ずっと憧れていました。
私もいつかやってみたいと思ってこの年まで来ました。職場のかたからのご縁もあり、天通合氣道との出会いとなりました。

― 稽古の面白さと楽しさ

合氣道の技は、意識や姿勢の動かし方とか、少しでもズレがあると技がうまくいかないんです。
そこを何回も繰り返しながら、自分の中で研究して工夫して発見していくところが面白いです。
新たな学びと発見、積み重ねによって自分のレベルアップを感じられることは、とても嬉しいですね!
先輩方も個人に合わせて丁寧に教えてくれたり、なかなか上手くできないときも時間をかけて練習に付き合ってくれるので、とてもありがたいです。
道場という学べる環境も好きですね。稽古生同士の距離感が自然で雰囲気がよくて、居心地が良いです。年齢・職業・立場は様々ですが、道場では隔てなく稽古をしていて、そういったかたがたとお話ができるのも楽しいです。
そして、そんな皆さんが稽古に励んでいる姿をみると、私も頑張ろう! という気持ちになります。

産業保健師として仕事で心がけていること

― 仕事に活かされていること

産業保健師の前は看護師もしていたので、長年人と関わる仕事に携わってきています。
人と関わる仕事をしていると、時には葛藤が生まれたり感情が引きずられたり、疲れてしまう場面があったしますが、合氣道の落ち着いた姿勢や落ち着いた心情で人と話をしていると、状況に流されずに的確な判断をしていくことができます。
また、色々な問題を解決し、お互いに良い仕事環境を築いていくためにはコミュニケーションが大切です。しかし、自分自身がブレてしまうと問題の解決は困難になってしまいます。
そんな時は、合氣道の自己を保持するところが活きていて、そうして事にあたっていると自然と信頼関係も築けてきて、仕事が面白くなってきます。

― 人と話すときに心がけていること

一対一で相手と話すときは自分が落ち着いている状態であることを意識しています。自分が落ち着いていないと相手も不安になりますし、こちらが落ち着いて話すことで相手も自然と収まってくる感じがします。
道場の教えにある相手をも活かすというのは、そのような繋がりではないかと思っています。

私の生活の中での合氣道

― 生活面での変化

稽古を続けていると、だんだんと姿勢や骨格が整ってきて、筋肉も変化してきたようで腰痛の頻度が減りました!
今では、稽古に通えない期間続くと、体がスッキリしなくて不調が出てきてちょっと困りますね(笑)。

― 身体の声を聴く

稽古をしていると、身体や心の変化に気づきやすくなる感覚があります。
身体の変化に気づくというのは大切なことで、病気を早く見つけたり、予防したりすることに役立つのではないかと思っています。
職業柄、人の身体や心を看ていると、ストレスが病気に繋がっているのではないかと感じることが多いです。
人が成長する上である程度のストレスは必要なことですが、必要以上のストレスを抱えてたり、心の苦しさを見なかったことにすると、体を壊してしまうように思うのです。
身体と心のバランスが取れて健康であること、その基本として自分の身体と心の声を聴く。そういう作業が、稽古の中で自然とできている感じがします。

合氣道の魅力と今後の抱負

― 稽古で大切にしていること

自分の感覚ももちろんですが、素直でいることが大切じゃないかなって思います!
アドバイスいただいたことを素直に自分の中に落とし込み、自分のものにしていく。何事も、素直さがないと成長できないだろうと思っていて。
人から何かを学ぶときは、はやり自分が素直な状態にいることがポイントだと思います。

― ズバリ、合氣道の魅力は

リセットできること!
仕事は産業保健師、家庭ではシングルマザー、仕事・家庭・母親、素直な自分と向き合える時間が稽古。ひとり親で大変な時も気持ちを切り替えられる場所でありました。
自分の感覚を大切にして自分にも素直に向き合うことができる、リセットして自分に戻ることができる時間が、私にとっての合氣道です。

― 期待と願い

自分の中の感覚や体の動きを極めていくことはもちろんですが、生き方に共感できる人が増えたらいいですね。
私は、姿勢や丹田が安定していると自分がブレずに自然とストレスも受けにくくなると感じています。合氣道のこの感覚や考えを身につけることで生きやすくなっている。
自分が収まれば相手も収まってくるように、お互いに良い影響を与え合い響き合えたらいいな、と感じます。
日々の稽古が生活につながる、天通合氣道のこのような教えや生き方、考え方に共感してくれる人が増えると嬉しいです。

― 合氣道はいつまで続けていきたいですか

体が動くかぎり、続けていきたいですね!
以前に発表会の演武で観たステッキ術がすごくかっこよくて。お婆ちゃんになったら、これだ! と思いました。



取材日:令和5年5月27日
取材:獨協医科大学3年 鈴木 紫
   獨協医科大学3年 石井舞佳
記事:創立35周年プロジェクト班


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