「なんて正月だ」

　——と、皆さんが異口同音に嘆いた2024年の三が日。世間を震撼させる災害や事件や事故が相次いだ３日間だった。これほどどんよりした雰囲気の年明けはいまだかつてなかったのではないだろうか。

　もはや説明不要だろうが、その２日目に発生したのが日本航空旅客機と海上保安庁の航空機の衝突事故だった。奇跡的にも旅客機の乗員乗客が全員無事に機内から脱出し、世界からも称賛と感嘆の声が相次いでいた。他方で国内メディアの記者からは事故原因や責任の所在について「粗探し」ともとれるような取材がなされて世間から批判の声が相次ぐなど物議を醸していた。

　いずれにしてもこの重大事故については――乗客が全員無事に脱出できたことが安堵・称賛されていたのだが、しかしその一方で、別の角度では波紋が静かに広がっていた。

　その波紋とはなにかというと