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白饅頭日誌:11月24日「言葉にできない領域の方がずっと広い」

 「技術は見て盗め」

 ——そういった指導法が、日本ではさまざまな領域でいまも存在しており、賛否を集めています。寿司職人や天ぷら職人の世界では、弟子がいつまでも板場に立たせてもらえず、雑務をひたすらこなす傍らで親方が調理するその様を背後からただじっと見つめる日々を何年も過ごしていることもあり、こうした光景は外部から「非効率の極みではないか」といった批判を向けられることもしばしばあります。

( https://twitter.com/Iwatekko6969/status/1707339264869245182 より引用 )

 正直に告白しますと、自分も昔は「技術は見て盗め」的な言説のことをあんまり快く思っていませんでした。それどころか仕事をブラックボックス化・非マニュアル化して囲い込んで自分の労働市場での価値(会社での居場所)を守ろうとしている人が編み出した姑息な手段ではないかとさえ思っていた節がありました。

 もちろん実際にそういう姑息な意図であえて業務や作業手順を言語化せず自分の雇用を守っている人もなかにはいるのでしょうが、しかし必ずしも全員がそういうわけではないことが、近ごろはわかるようになってきました。

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