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農業について考える~高橋久美子さんのお話し会~

作家・高橋久美子さんの『お話し会』に行ってきました。

音楽好きな方には、チャットモンチーの元ドラマーと説明した方がわかりやすいかもしれない。バンド脱退後、小説、エッセイ、作詞、作詩などいろんな文筆のお仕事をなさっています。

現在、5本の連載を抱えているっておっしゃってたなー。文筆業だけでも大変そうなのに、なんと地元・愛媛で農業にも携わっておられるのです。今回はどちらかというと、農業に関するお話がメインでした。私は農業とは無縁の人生を送ってきたので、知らないことばかりで非常に興味深かったです。

「なぜ、高橋さんが農業を始めることになったのか?」は、こちらの本に詳しく書かれています。

もともと、高橋さんのご実家が代々農業を営まれているらしいのですが、お父様が農地を売る決意をしたところから、“高橋さん家の次女=久美子さんの乱”が始まりました。

私もまだ途中までしか読んでいないのだけど、これがめちゃくちゃおもしろい!

単に農地を買い戻して終わり、というわけにはいかず。東京で暮らす高橋さんがどうやって農業をしていくのかという問題もあり、田舎ならではのしがらみもあり。まだ私が読んでいない部分にもたくさんのエピソードが待っているっぽいです。

いま、高橋さんは愛媛と東京の二拠点生活をされていて、だいたい1か月ごとに行き来しているのだとか。愛媛での農業はチームで行っているそうです。メンバーは未経験者ばかり。高橋さん曰く、米や野菜を育てたことのない人の方が、すべてにおいて新鮮で、感動を大きく味わえるので、農業に向いているんじゃないかとのことでした。

なるほどー。おそらく、農業をまったく知らない私が興味津々でお話を聞いていたのと一緒で、それが実体験になると、なおさらおもしろさを感じられるんだろね。

さらに農作業を通して、自分が普段食べているものが、どのように作られているのかを知ることができる。諸外国に比べて自給自足率が著しく低い日本において、いざというときのために、自分や家族の食をまかなえるだけの土地と経験を手に入れることは、とても大事なことなのだと気づかされました。農業経験は食に対する私たちの意識を大きく変えてくれそうな気がします。安全性やフードロスへの関心も深まりそう。

とはいえ。「明日からさっそく農業始めるぞー!」なんて、簡単にはいかないよね。貸し農園や週末農業という方法もあるけれど、それすら素人には高いハードル。

「プランターでの家庭菜園から始めてもOK!」とおっしゃっていたので、それなら私もチャレンジできるかなーなんて、ちょっと真剣に考えてみようと思ってます。
(ちなみにいまから植えるのであれば、玉ねぎやほうれん草がオススメとのこと)

会場で2冊購入。
どちらにもサインをしてくださいました。


農業のお話もすごくおもしろかったのだけど、私は高橋さん自身に惹かれる部分がたくさんありました。

まず、お話がめちゃくちゃ聞きやすい!自身が持つほのぼのとした雰囲気と、やわらかな口調で、場の空気がふんわりとあたたまっていくようでした。方言で話されているのも、なんだか親しみがあって。


高橋さんって、雰囲気はほのぼのとしているんだけど、実はとってもパワフルな方だと思うのです。

教師になるために大学へ通っていたのに、バンドに加入し音楽の道へ。東京で作家生活を送っていたのに、愛媛で農業もはじめることに。

周りから反対されながらも、自分の気持ちに正直に突き進む行動力が、うらやましいくらいにすごいなーって。自分軸というのかな?内面に芯の通った強さがあるからこその行動力のような気がします。


「やらない後悔より、やって後悔する方がいい」
「だから失敗も多いです」

私は失敗を恐れて、やらずに終わってしまうことが多いので、高橋さんの言葉は胸に刺さりました。そうなんよなー、やらないとなんにも始まらないんだよなー。

高橋さんはきっと、好きなことに一生懸命なんだと思う。その都度、好きなことに全力投球してきた積み重ねが、いまなんじゃないかなーって。

だから、なんていうんだろ。過去に経験したすべてのことが、いまの高橋さんの姿を作り上げているように思えてなりませんでした。

農業仲間とともにZINEや音楽CDを作ったり、農業を始めることになったいきさつを本にまとめたり、今回のようなお話し会や詩の朗読イベントを行ったり。

これまでの経験が、いろんな活動にちょっとずつエッセンスとして練り込まれている感じ。これってけっこう理想の生き方、働き方なんじゃないかなーって思うんですよね。なんだか憧れる。


約2時間のお話し会、話の内容もおもしろかったし、詩や絵本の朗読も聞かせていただけて、本当に貴重な時間でした。だけど、それ以上に、高橋さんのお人柄に触れることができたのがよかったなー。すっかりファンになってしまいました。これから、買ってきた本を読むのも楽しみです。


最後に、こちらのお話し会を開催してくださった、サイトウコーヒーさんについて。

関東から移住されて、香川県三木町へ。
ご自宅で毎週金・土曜日のみカフェを営まれています。

とても趣きのある古民家なのですが、こちらを購入する際に広大な農地もついてきたそうで。(というか、農地つきでないと売ってもらえなかったらしい)そこで栽培されているお野菜のことなども、Instagramに投稿されています。

移住前からされていたお仕事をしながら、カフェや農業も。やりたいこと、興味のあることを自分たちの暮らしに取り込みつつ、今回のようなお話し会という形で地元の方々にご縁をつなげてくださって。

サイトウさんのような生き方も素敵だなぁと感じたのでした。

今度は珈琲を飲みに、ゆっくりお伺いしたいと思います。

2022年3月撮影

【サイトウコーヒー】
自家焙煎珈琲と手作りおやつをいただける古民家カフェ。絵本と珈琲の物々交換、選挙に行かれた方への珈琲無料サービス等、ユニークな取り組みも。のどかな三木町の風景を眺めながら、至福のコーヒータイム。香川にお越しの際はぜひ!

◇香川県木田郡三木町鹿庭2022-1
FRI. 13:00-17:00(L.O 16:30)
SAT. 11:00-16:00(L.O 15:30)
※祝日休、その他臨時休業あり
※来店前にInstagramで確認を!


ではでは、またー!





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