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「分析力」と「色」 地方のアパレル販売業から「販売業とは何か」を考える



誰にでも好かれる商品は

皆さんはその商品を見た全員が「良い」と思える商品は存在すると思いますか?

答えはもちろん「NO」だと思います。
どれだけ良い素材を使おうと、優秀なデザイナーがデザインしたとしても100%好かれる物は存在しません。

アパレル業界で働き、東北地方の店舗を巡る私は、地域ごとのファッションに対する好みの違いに日々直面しています。

地域によって違う好み

特に秋田県と宮城県での体験は、その地域特有の文化や人々の性格がファッションにどう反映されているかを浮き彫りにしています。

秋田県では、地元の方々がシンプルで無地の服を好む傾向にあり、柄物に対しては消極的な反応を示すことが多いです。

私が納品を行っているときは、店員さんたちもやや控えめで、どこかよそよそしい印象を受けることがあります。
しかし、納品が終わり店を後にすると、興味深げに洋服を手に取り見ている姿を目にすることがあります。
これは、秋田県ならではの控えめながらも真摯に物事を受け止める姿勢の表れかもしれません。

一方、宮城県では色鮮やかな柄物が好まれ、人々はよりオープンで明るいファッションを楽しむ傾向にあります。
この地域の人々は新しいものに対して積極的で、ファッションにおいてもその姿勢が顕著です。

ニーズを捉える

これらの体験から、私は地域ごとの好みやニーズに寄り添った商品提供の重要性を改めて感じています。
秋田県では、より控えめでシンプルなアイテムを、宮城県では明るく元気な色使いのアイテムを提供することで、それぞれの地域のお客様に喜んでいただけると考えています。

言葉では簡単ですが、こればかりは机上で考えていても気づきにくい事であり、実際に足を運ぶ中で現地の方々とコミュニケーションを取り発見した事です。

全員が100%好む夢のような商品があれば」といつも思います。
しかし現実にはそんなものは存在しません。

店舗販売、ネット販売も同じ

現在ネット販売にも注力していますが、それも同じです。
ただ、こちらの場合お客様の顔を確認することはできません。

そのため、色々な実験をします。

  • 商品の画像を変えてみる

  • 説明文の表現を変えてみる

  • 分析ツールを使いながら、アクセス数や反応の数からニーズを予測する

  • 値段の見直し

理屈では簡単に分かりそうなこれらの事柄を如何に我慢強くトライアンドエラーを繰り返して行けるかがカギです。

あえて実験の具体的内容は書きませんが店舗販売でも同じようなトライアンドエラーでお客様のニーズを掴んでいきます。

販売業は「分析力」と「色」

この仕事をすればするほど感じるのは販売業成功への大きな要因は「分析力」にあると思います。

もちろんそれが全てとは思いませんが大きな要因であるのは確かです。

商品を仕入れ、販売し、ニーズを分析してまた次の商品を選ぶ

このサイクルを繰り返し成長していく。
それに加え、その地域や市場独特の「色」をつける事が大事です。

「色」は言い換えればセールスポイントでしょうか?
※地方なら「他の地域限定品」や特にお年寄りに寄り添ったセールスポイントなど

東北地方の各地域の文化や人々の性格を理解し、それに合わせた商品展開やマーケティング戦略を展開することが、地方アパレル業界での成功への鍵であると私は考えます。


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