人を生きさせるものとは?

岡田尊司
『真面目な人は長生きする 
      八十年にわたる寿命研究が解き明かす
      驚愕の真実』

この本の204ページに、
人を生きさせるものとは?
といふ節があります。

配偶者を失った場合、残された男性がその後長生きすることはあまりないが、女性の場合は、独りになってもけっこう元気に生き続けるといふ話をよく聞きます。

上記の本を読むと、実際に、さうなのかもしれないと思ひました。
わたしは、愛することができるのは女性だと思ってゐるからです。
この本の204ページには、次のやうに書かれてゐます。(わたしの都合に合はせて省略して抜粋してゐます)

以下、引用

自分が愛され、よく世話をされていると感じている人は、より幸福な傾向があるものの、その後の寿命という点では、とりわけ長生きする傾向があるわけではないのだ。

人とのつながりという点において、愛されること、世話をされること以上に、もっと寿命を左右する重要な因子があったのだ。

人とのつながりが大事な理由は、自分が助けられるということもあるが、それ以上に自分が誰かを助け、役に立つということが、その人に生きる力を与えるということであったのだ。

以上、引用終はり

わたしはネトウヨなので、この内容を日本揚げに援用したいと思ひます。

日本人は、他者や世間から切り離されて自立する個人であるより、他者や世間の中で自分がどういふ位置にあり、他者や世間から何を期待されてゐるかを常に考へたうへで、「『私』としてどうするか」を決めてゐます。

かういふ生き方はほとんど意識することなく、毎日、行ってゐて、西洋人や中国人や朝鮮人といったユーラシア大陸の人たちから見ると、
確固たる自己を持たず、いつも他人や世間を忖度して生きてゐる民族
といふことになりす。

そして、さう言はれると、確かにさうです。
だから、なんとか他人や世間の目を跳ね返す個人主義の個人になりたいと思って悩み始める人も少なくないやうです。
ユーラシア大陸で暮らしてから日本に帰って来た人の中には、毎日、同調圧力の強い日本を罵り、
ドイツ/フランスでは誰もマスクなんてしてゐない
嘆いてゐる人などがゐました。

でも、わたしとしては、他人のことを気にして、他人のために何ができるのかを考へてしまふ民族的な特性は、捨てるには惜しい感じがしてゐます。

たいていの人は長生きしたいと思ってゐると思ひます
そして、生きる以上は、生きることに意味を感じたいとも思ってゐるのではないでせうか?
それなら、
誰かを助け、役に立つということが、その人に生きる力を与える
といふ統計的なレポートは、
誰かを助け、役に立つということが嫌ひではない日本人
むしろ、さういふことが好きな人が多いやうに見える日本人にとっては、
福音であるとわたしは思ひます。


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